「先進美術館」という国家プロジェクト?

国が美術振興をすると内容がもっさりするのは恒例ですが、
今回の「先進美術館」というのも、多くの問題をはらんでいそうです。
まずは美術関係者の声を集めてみましょう。

多くのアーティストが怒っています。
この「先進美術館」という施策の内容、間違っていたら指摘お願いしたいのですが、
ざっくりいうと、
○国内のアート需要を掘り起こすために既存の美術館を「先進美術館」指定するよ
○「先進美術館」には補助金を出すから展覧会頑張ってね!
○展覧会で人気を集めて作品を市場に放出しよう!(!?)
○結果、アートシーンが円滑に回って、美術館も儲かるね(!?)
という感じでしょうか。

さて、この発想。やっぱりもっさりとしています。
問題があるとすれば、美術市場を構成している人に対してフォローがないところ。
つまり、ハコ(例えば美術館だったり、博物館)にお金出せば市場は活性化すると思っている。
残念ながら、美術市場は人の感情で動いています。
例え何らかの形で美術館から作品が市場に流れて、国内で流通したとして、
それが国際的な市場で戦えるかというと、全く別の話です。
日本のアートシーンは村上隆さんや奈良美智さんの活躍によって
世界市場への挑戦のステージにあります。
工芸もまさにそのステージに立っており、それを牽引するのは
国でも美術館でもなく、人の才能と努力と情熱なんですよね。

僕は何かを奨励する制度を設けるなら
イケてる作家に投資をすることが一番良いと思っていて、
イケてる作家は雇用を作り出すことができ、作品のクオリティが上がり
国内外への挑戦を加速させて行きます。
結果的に市場を回す力を拡張できるスピードが上がります。

ただ、イケてる作家というの補助がなくても
自分の力で市場を作り上げる力があります。
そのスピードを加速させることって、補助と関連性が見えにくいので国の施策になりにくいのは確かですね。


しかし、今回の施策には美術館への寄贈作品の税制面の優遇が含まれているようです。
個人蔵の貴重な美術品は、今までただの贅沢品でしかありませんでしたが、
優遇処置が取られて、個人の資産から国の資産という考えかたにシフトしてゆくならば、それは必要なことです。

間違っても
「しばらく美術館に所蔵しておいたし、そろそろ市場に放出しましょうか」
みたいなことには、、ならないよね?

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