「師弟制度」のアップデートが未来の工芸を開く

「ここまで対立構造をつくり出さなくても。。」と思われるかもしれないけど
師弟制度を含めた人を育てる仕組みは変革期にあります。
まず、伝統工芸において、後継者がたっぷりいる業界がない事。
美術系大学を含め、物作りにおける人材に男性が激減している事。
続けるのが難しい職業という印象が強く、夢を描きにくくなっているのは漆業界だけではないはずです。

教育のシステムとして現在は大学で学ぶことが主流ですが
工芸技術の場合四年間でプロの世界で活動するのは、難しいのが現状です。

「師弟制度」を否定するのは、現代において
その悪い部分だけを引き継いでいるからです。
師弟制度が成立していたのは
その分野がしっかりと産業として成立しており、
一人立ち後に自活できるある程度の保証があったからです。
そして、住み込みで技術を磨いていたので、衣食住の心配が無い環境がありました。

現在、伝統工芸の分野で数年の修行の後、独り立ちするにしても
食ってゆくのが難しい。それは、産業としてのパイが小さいからです。
それに、住み込みでなく、通い弟子の場合、衣食住の心配があり、
社会保障など入ってもらえなければ、たちまち苦しい立場になってしまいます。

では、現代の師弟制度をアップデートするにはどのような方法があるのか
僕は、企業化された師弟制度に活路があると考えて活動しています。
修行時代といえども、時間と賃金を最低限約束できる工房が必要です。
「好きなことに携わっているのだから、給料が少なくても仕方ない」という
考え方に真っ向から反対します。

正規の賃金を得て、社会保障が拡充された状況で修行した方が
作品のクオリティが上がり、長期的に業界の活性化に繋がると考えました。
理想を形に変えてゆくのは困難だけど、それでも未来に向けて活動してゆきたいのです。

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