美術・マーケティング

一見美術とマーケティングという言葉は繋がりにくいイメージで、
作家が制作以外のアプローチをすることを良く思っていない人も多いと思います。
僕はいつも考えていることがあって
それは
「正しいものを」
「正しい人に」
「正しい価格でコレクションしてもらう」

ここでいう正しさというのは、幅広い意味合いがありますが、
おおかた大切な部分をしっかり守り、展開させてゆくには、この正しさが必要だと考えて活動してきました。
そして、この三つがつまり僕なりのマーケティングだと考えています。

まず
正しいものというのは、
漆芸作品制作において、かなり王道というか、古典的な方法を取っているので、
それを貫くことです。
僕の場合、材料へのこだわりが特に強いので、継続的に技術と材料への誠実さを守ること。
けれど、表現は現代的なアプローチを常に模索してゆこうと思っています。
それが蒔絵作品を作る上での正しさでしょう。

正しい人に
最も大切にしている部分なのですが、
「誰に所蔵してもらうか」というのは大切で
僕は信用できる人とか、誠実な人にしか付き合ってゆきたくないです、
なので、所蔵家との人間関係は継続して結んでゆきたいと思っています。

正しい価格でコレクションしてもらう
僕の作品価格は、今後も継続して上がってゆきます。
それは作品の質が確実に上がることと、市場性に対する考え方です。
当然作品の質が上がるということは、人件費や材料費が格段に上がっていて
トータルの制作費は数年前の5倍くらいになっています。
以前の記事にも書きましたが、僕の作品価格は売れた実績に基づいて上がっているので
売れたら次作の価格が上がるし、売れなければ上がることがありません。
なので、できたものの価格を決めるというより
アイテムごとの値段設定が決まっていて、その価格が上がる場合、
そこに追いつくために質を上げて、価格以上の価値を作る必要があります。
そのため、数年で制作費や制作期間が格段に上昇しています。

さて、僕が考えるマーケティングですが、
一般的に「正しいものを」以外は作家の仕事ではないのかもしれません。
「正しい人に、正しい価格でコレクションしてもらう」というのは画商であったり、百貨店の仕事かもしれません。
ただ、実際のところ僕以外の人は、たとえ百貨店であっても
「正しい人に、正しい価格でコレクションしてもらう」ことが必ずしも必要ではありません。
僕が考える正しさを守ってゆくためには、
作家である僕がマーケティンの感覚を大切にする必要があると思うのです。

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