「漆では食えない」なんて嘘だ

僕も実際に「漆では食えない」と何度も言われてきました。
それはもう言葉の蓄積が断層となって見上げるほどに。
でも、僕はそれを全く信じていませんでした。
なぜそれを信じなかったかというと、
「食えないのには理由があって、それを変えればいいだけ」という、
ある種楽観的な感情を抱いていたからです。
現状を把握しつつも、腐らず自分をアップデートしてやれば、
環境を変えられると知っていたのです。

もう一つ
よく言われる「売れる作品はよくない」
若いうちによく聞くワードですが、
これも、前向きな言葉ではありません。
冷静に考えるとわかるけど、
売れる作品と売れない作品だと、優れている部分は売れている作品の方が多い。ことが多い。
「ことが多い」というのは、ネームバリューとか、作品本来の質以上の要素が加算されるから。
実際のところ、加算される価値を作り上げているのだから、その部分で作品の質と説明することもできます。

つまり、売れるのも売れないのも理由があって
「売れてる作品」を否定するのは、変な前提を自分に刷り込んでいるようなものです。


最近特に思うのは
変な前提を一切捨てて、腐らず作り続けることが重要だということ。
制作は信念の具現化です。
その信念が強ければ、必ず誰かと共有できるものだと信じています。