これからの弟子制度を考える

技術の習得には時間がかかるわけですが、
人生において最も大切な時間という資源を若いうちにどのように、どのような形で振り分けるか、というのはとても重要です。
例えば「技術だけあればなんとかなる」と考えた場合、
伝統工芸の技術より、プログラミングの技術を習得した方が、収入を考えた時に有利なわけです。
ただ、お金ではなく、分野に対する愛情が深い場合は割り切る必要はないと思っていて、それが差別化に繋がり、
最終的に強みになります。そして、これからそのような人間らしい強みが仕事において必要になってきます。

でも、弟子体制が一般的にみてブラックな状態っていうのは、本当に長期的な活動が難しいので
師匠選び、環境選びは冷静になる必要があります。
ブラックな現場というのは総じて、人間関係もブラックなので、
さっさと見切りをつける必要があります。

僕が夢見る弟子制度っていうのは、弟子には最低限の社会保障をすべきだと思います。
逆に社会保障をつけることができないというのは、組織として際どい状況であるということなので、
やはり長期的な成長は難しいのです。

伝統工芸は夢のある世界なので、夢を見るだけの地盤を僕は作りたいんですよね。
そのために、一流の環境を作りたいと思います。
そこに一流の人と物が集まるのは当然なので。