さっさと動く

ネットが社会に浸透してから
僕たちは空前のスピード化社会の渦に巻き込まれています。
そう、まだアイフォンが誕生してから10年くらいしかたたないのに
世界中どこでもスマートフォンは普及しています。
マレーシアではドライバーとお客がアプリで繋がり、
お互いストレスなくサービスが進行してゆきます。
Uberというサービスが世界的にメジャーですが
マレーシアはGrabという配車アプリが認可されています。

このアプリ、配車からナビゲーション、 ETCの計算まで優れているのです。
UberとかGrabが日本で普及してしまえばタクシー業界は瞬く間に縮小します。

このような新しいサービスの開発や上陸を食い止めているのは
大きな組織や、特定の企業でしょう。
古くて大きな体制は、例外なくスピード感にかけていて
新しいものを排除しようとします。

別にいいんです。
日本で暮らしているぶんには
ただ、一歩でも外を見てみると、現状維持が難しいのはわかります。
携帯電話が普及すれば、公衆電話は必要ないし
メールが普及したらFAXの存在価値は薄まります。デジカメが普及したらフィルムは生産終了となります。
このように新しい物の普及と同時に
今後はサービス自体の革新がネットを通じて普及してゆきます。
先ほど述べた、配車アプリのようにサービス自体がコンパクトに人と人をつないでゆきます。

この動きは、今までクリエイティブだったはずの領域にまで踏み込んで来ます。
デザインとかウェブ制作もクラウドで簡単に人と人が繋がり
価格競争になっています。

僕の仕事は極めてアナログですが、
活動方針自体は、スピード感を大切にしています。
走りながら考えて
飛び込んでから後悔する

馬鹿げて聞こえるかもしれませんが、
これが僕の勝算なんです。

つまり、成功も失敗もたくさんすることで
データが充実して、アナログな仕事しているからこそ精度が高められます。
実際に膨大な量のボツ案があり、そして完成しなかった作品も眠っています。
それに展覧会から帰って来た作品を何度も研ぎ落として新しい図案に修正して来ました。
時間とお金がかかったけど、休まず続けて来たことで
精度の高い作品を作ることができるようになりました。

でも、まだまだスピードが全然たりません。
はやく沢山作るというのではなくて、一秒でも早く、蒔絵の本質に近づいてできるだけ遠くに行きたいのです。

過去と現在における物と事に差が出てくるならば、必ず情報量とスピードが間に存在するはずです。
蒔絵はアナログな仕事だけど、それでもさっさと動き続ける事が自分の仕事のやり方です。