ちょっと変な蒔絵の道具

「鯛牙」タイキと呼んでいます。
字のごとく、鯛の牙を棒にくっつけただけのわかりやすい道具です。
どのように使うかというと、
蒔絵の金粉を磨いてががやかせるために、先端の牙の部分を擦りつけて磨いてゆきます。

蒔絵の金粉というのは、球状の粒子を蒔いてゆくので
そのままでは乱反射し光を放ちません。
きな粉みたいな黄色い粉なので、それだけでは全く美しくないのです。
それを輝かせるために、普通は炭で研ぎあげてツヤを与えてゆきますが、
どうしても届かない隙間がある場合
この「鯛牙」が登場します。

蒔絵道具には「鯛牙」より少し大きな「犬牙」というのもあります。
こちらも字のごとく、犬の牙を使った道具です。
ちなみに僕は持っていません。
たぶんどの材料屋さんにも売っていないでしょう。
ということは、自分で作る道具です。
犬の牙。。。。

ぶーが死んだら、前歯を一本頂こうかしら。
死んでからも僕の道具としてずっと作業テーブルにいてもらおうかしら。