アイデアとは

オリジナリティのジレンマは
発想やアイデアがどういうプロセスで生まれるかを紐解くと楽になります。

美大なんかで「自分の内側から出てくる表現」などと言われますが、
何もないところからは何も生まれないわけで、
物や事が生まれるためには、いくつかの異なった要素が必要です。
人間だって、男と女がいて初めて子供ができるし、植物にも雄しべと雌しべがあるように、
生まれるという現象にはほぼ違った二つ以上のものが必要なのは宇宙全体で説明されているようなものです。

工芸の場合、プロセスを学ぶ行為は
100パーセント真似から入ります。
大方の技術は伝統技法として、確立されたもので
ある部分で変更が難しいのです。
その中でも少しづつ改良を重ねる事で、
オリジナルな技法になってゆきますが、
基本は伝統的な素材と技。

伝統工芸の習得プロセスは、厳格なところがありますが、
他の分野の習得プロセスも変わらず
真似から入るはずです。

例えば絵画表現・立体表現他の表現領域も
なんとなく真似て学んで上達してゆきます。
その先に自己表現のようなものが、待っているのか、いないのか、それは誰にもわかりませんが、
まずは多くの優れたものに触れ、自分のフィルターを通過して流れて出たものを見つめるところから始まります。

アイデアとは既存のパターンの新しい組み合わせ
僕が影響を受けたアイデアの本は全てこう語っていました。