ギャラリーは箱ではなく、人で見る。(作家限定記事)

以前ギャラリーについての記事を書きました。
ギャラリーには二種類あって、作家や作品の扱いや収入形態が違うことなどを書いているので、
気になる方は過去記事をどうぞ。
美術業界の仕組み 2種類のギャラリー 前編
美術業界の仕組み 2種類のギャラリー 後編

さて、デビュー前の作家って、「じゃあどうやって作家になるの?」という疑問を抱えていると思うのですが、
制作を加速させつつギャラリーに足繁く通うことが一番の近道だと思います。
憧れの作家の個展や知り合いの個展・グループ展など、機会があるたびに通っていると気がつくことがあります。
それは、ギャラリーとは箱(空間)ではなく、人そのものであるということ。

特に企画画廊って、ギャラリーオーナーの人格や嗜好が色濃く出てきます。
もっというと、彼らは強烈なアーティスト気質を持っているので、
私たち作家と同様に、アートで戦っている印象があります。

自分の好きな作品展がたくさん企画される画廊に足を運んでいると
ふとしたきっかけで、ギャラリーの人と話すきっかけが生まれてきます。
また、知り合いを通してギャッリストを紹介してもらえたりします。
僕は、美術の話をするのが好きなので、色々なギャラリストの話を聞いてきました。
その中で、彼らの考え方や、最新情報をもらえたり、展示機会をもらえて今日まで活動を続けることができました。

何十箇所とギャラリーや百貨店の画廊を回ってきましたが、
特別に気が合うギャラリストができます、それは、もう人間関係としか言いようがなくて、
自然と関係が出来上がってきます。
逆にどんなに憧れているギャラリーでも、オーナーと気が合わないことも多くて、
展示機会を得ることができないことも数え切れません。

ギャラリーとの関係は結局のところ、人間関係に終始しますので、
たくさん話して、進んでゆくしかないのです。
ギャラリーを箱ではなく、人として見えてきた時から
僕の作家人生、さらには作品も前進してきました。