世界の美意識と日本の美意識 その1

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現代アートって理解できますか?
そもそも現代アートて美しいのでしょうか?
謎ですよね。
「なんであれが数億円で取引されるわけ?」と思いませんか?

そのような疑問にはアートの最前線で戦っている方々の本にヒントはあります。

村上隆さんの本は、とても勉強になりました。
日本美術界を痛烈に批判し、海外アートシーンとの違いを実践的に記していいる名著です。
ただ、世界トップクラスのアーティストなだけに、読むだけでは体系的な理解が難しいのも事実です。


どうやら、日本の美術と世界(主に欧米)の美術市場は全く異なっていて
日本はずっと遅れているらしい。


当初、僕は蒔絵で世界と戦ってゆくための考えとして
日本文化の概念ごと輸出するのが適切だと思っていました。
つまり、長い歴史を持つ蒔絵文化と独特な日本美術の体系をプレゼンテーションして
現在自分がいる位置が系譜としてどのようなものなのか説明し、
それが突破口になると考えていたのです。
そして、蒔絵は純粋に美しく、人間への視覚効果が高いはず。

ただ、今はそれでは不十分だと思っています。
全然足りていない。ではどうしたらいいのか。

◆わび茶の世界観をヒントに考えてみる
考えるほどに「どうやら、純粋な美しさだけでは不十分なのではないか」という問題にぶつかったのです。
実際、僕の仮説では説明できない事が多いのです。

「美しい=価値」が説明できなくなってしまっていて
ではどのように価値にコミットできるのかこれもでの仮説では取っ掛かりもないのです。

しかし、立体造形を中心に世界のアートシーンを眺めていると
ぼんやりと感じられるものが出て来ました。
それは、美的価値観のそもそもルールの違いです。

僕たち人類は、長い時間をかけて美術を成熟させて来ました。
それは科学技術や哲学と同じように、過去の人類には想像できない場所へ僕たちを連れて来ました。
美術も同様で、美術の概念は成熟しています。
つまり、人類の美意識は進化していて、美意識は教育からなる。
という2つの条件を見つけました。

これはどういうことか。

続く

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