助けてもらう力

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作家って、ある意味で偶然起こる
小さな奇跡に助けられながら生きているように思います。

例えば
◯家がお金持ち
◯嫁さんがお金持ち
◯容姿が良い
◯代々の作家家系
◯話すのがやけにうまい
◯プロモーションがうまい
◯運命の画廊と一発で知り合う
など、など

上に書いたのは、わりとあり得る話です。
普通にしていたら起こらないことでも
無我夢中で何かに没頭していたら、どうにかなることは多い。

◆僕の場合
「助けてもらう力」みたいなものがたまに作用します。
実力ではない他力が僕を何度も救ってくれました。
具体的に言うと
・そもそも協力的な両親の元に生まれたこと。
・父の実家が梨農家だったため、そのあとに漆の植栽を始めたこと。
・予約作品が展示1週間前にキャンセルされたけど、初日に売れたこと。
・企業さんに助けてもらっとこと。
書ききれないこと、たくさんあります。

実のところ、自分でコントロール出来ない要素だらけで
恥ずかしい作家人生です。
その時々に助けてくれる人がいて、
それを本当にありがたく受け取って来ました。
「そんな大きな申し出厚かましくて受け入れられない」と思うようなことも
ありがたく受け取って来まし。

ご飯を奢ってもらうことから、
家業の梨農家を全て漆に変えること。
今、京都にいること。たくさんの恩人がいて
全てを「ありがとうございます」と言って受け取りました。


この厚かましさ。
ある意味才能かもしれません。
「助けてもらう力」みたいな甘えた能力は今までの日本には合わないかもしれません。
でも、
ひょっとしたら、その分、僕も誰かを助けているのかもしれません。
または、「こいつならいつか誰かの役に立つはずだ」と思って投資してくれているのかもしれません。
「ありがとうございます」と言って受け取ってきた物やことを何倍にもして返せるような気がします。

これからも誰かが手を差し伸べてくれた時
その手をしっかり掴んで、引き上げてもらいたいと思います。
そしていつでも誰かを引き上げられるような人間になりたい。


厚かましくても、甘えても
自分一人の努力でまわる世界を夢見るよりは、
少しだけ世界が優しく見えるように思えるのです。