卒業・入学シーズンだからまたオススメしたい漆のバイブルはコレ

各大学の卒業写真がsnsにアップされてますね。
就職が決まってる人、決まってない人、進学など
それぞれ新しい道を歩んで行く季節になりました。

大学や研究所出てみても、「漆のことは全部わかった!」となるのは難しい。
かと言って、学校ごとに教科書があるわけでもありません。
卒業後は書籍に頼らなければならないのが現実です。
そんな時にオススメしている一冊があります。
僕のブログの紹介している書籍の中でも一番人気の本

佐々木英著
「漆芸の伝統技法」
オーム社出版

この本は毎年この時期にご紹介しています。
内容が幅広く、あらゆる技法を解説してくれています。
写真が特別多い本ではありませんが、塗りから加飾の技法が細かく解説されています。
そして、この本が最も優れていると感じられるのは
著者の佐々木英が作家であったこと。
つまり作り手の痒いところに手が届くタイプの本です。

かと言って、技術に偏った内容ではなく、
知識としての漆工についても理解しやすいようにまとまっています。
かなり作り手寄りの一冊ですが、知識の理解もこの一冊で十分で、
初級者から超上級者まで長く読み込める名作です。

しかし、最近気が付きました
この名作にも絶版の危機があったようです。
どうやら1986に 理工学社から出版された本書だけど
2014年からオーム社からの出版となっています。
現在購入する場合はオーム社バージョンになります。
理工学社が廃業などしていたのならば、一度絶版の危機があったのかもしれません。

同じく理工学社から出版されていた
梅田 総太郎著「木工の伝統技法」という木工の本が絶版となってしまっているので、
「漆芸の伝統技法」が残っていることはとても幸運に思います。

今後も漆芸を目指す人の座右の名著としてずっと出版され続けてもらえることを切に願います。

アマゾンから購入できます。

過去記事も合わせてどうぞ
漆のオススメ本 佐々木英著 「漆芸の伝統技法」