弟子制度に思うこと

伝統工芸の弟子制度ってどういうイメージでしょうか。

住み込みで朝から晩まで師匠のそばで修行して
でも師匠は具体的には教えてくれなくて
背中を見て学べ的な。。。しかもタダ働き。

イメージはそれぞれだと思います。

https://togetter.com/li/1090705
このまとめサイトで、あるツイートが発端で炎上した内容が取り上げられています。
炎上の内容は西陣織の弟子募集。
全てはこのツイートから始まりました。

何気ない後継者募集のはずが
「ブラック企業以下」「やる気搾取」などのヤジが飛び始め炎上したのです。
しかし、このツイート主はいわゆる炎上もととしては珍しく、
無礼な返信にもとても丁寧な対応をしています。

ツイートの主は西陣織職人の六代目で伝統工芸師のかたです。
炎上内容を簡単に説明すると、

○西陣織の後継者を募集
○お給料は当面出せない
○将来的に仕事があるかわからない

という内容のツイートに対して

○そんなこと言っているから衰退するんだ
○ブラック企業以下

○でも伝統は大切だよね

など、否定派と肯定派が入り混じった不思議な炎上が続いたようです。
このツイートがここまで炎上したのは
単純に弟子募集という意味合いに取られたからでしょう。
弟子という言葉には職業的なニュアンスがあり、将来暖簾分けのように
技術の裏付けと、仕事がある程度見通しが立つ状態の準備期間を言うと思います。

しかし、タダ働きで将来も仕事が無いとなると、
それはつまり趣味みたいなもので、欲しいのは西陣織を趣味にしたい人?と思ってしまいます。
実際にツイートが進むにつれ、
炎上したご本人も、がっつりプロではなく趣味からスタートしたい人に向けたツイートだったと言っています。


実は伝統工芸の産地で弟子制度が残っているところでは
ある程度システムがしっかりしています。
給料が出て、四年間師匠の元で仕事をするという修行が続いています。
ちなみに住み込み弟子というのはほとんどいなくなりましたが、
輪島の漆業界では、少ないですが徒弟制度が残っているのです。

続く