漆芸素材の裏側 ゴミ袋から金を得る

先日、金属加工工場に金の板金の端材とゴミ袋一杯のティッシュを送りました。
端材の重量は約45gです。
ゴミ袋の方はどれくらいの重さかわかりませんが、とにかく袋がティッシュでいっぱいになったので送ったのです。

目的は、加工工場から金の再加工をしてもらうためです。
作業で出た端材を再加工してもらって、新しい漆芸素材を送ってもらいます。
板金の端材が45gなので、45g以上の金を得られますが、最終的に送られてきた分量は
90グラム

端材以外の45グラムはゴミ袋のティッシュの山から得られた事になります。
なぜでしょうか?

実は、蒔絵の仕事は、蒔絵粉を蒔いた後、研ぎだす事により金の輝きを出してゆきます。
丸い粒子を半分まで研ぎだす事により、鏡面のような光を作るんです。
物理的に、蒔いた粉の半分は研ぎ落とす事になります。
ゴミ袋に入っていたティッシュはその研ぎ汁を染込ませていたものです。

さて、この研ぎ汁とティッシュですが、全く金色をしていません。
研ぎ炭で研いでゆくので、その炭の色、黒い汚い水とティッシュです。
途中でなんでこんな物を大切に保管しているんだろうと思ってしまうんですよ。
でも、辛抱強く集めていると、期待以上の金を得る事ができました。

どうやって金を取り出しているのかわかりませんが、予想では
1度液化してから、再結晶のようにして得てるのかなと思います。
どうなんでしょうか?詳しい方がいらっしゃったら教えて下さい。
以前テレビで携帯電話の基盤から金を得る方法があると紹介されていたので
それに近い技術で取り出しているのではないかと思っています。

または、超高温で焼いて金を取り出すか?
いや、純金の他、純銀も別けて取り出してくれるので焼いているのではなさそうです。
(ちなみに今回は約90グラムの金と、4グラムの銀がとれました)
焼いて溶かしているのだったら、金と銀の合金になってしまいますからね。

東京には御徒町を中心に貴金属の加工、購入できるお店がたくさんあります。
彫金道具屋に行くといろいろな道具があって楽しいですよ。


端材の再加工、貴金属の購入は
佐藤金銀店

東京都足立区千住宮元町16-13
TEL 03-3882-3755(代)FAX 03-3882-8840


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東京都台東区台東4-18-12
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