独特な物作り

個展会場で、
「どのくらいの制作期間で作品つくるのですか?」
という質問をいただくことが多かった。
答えるのは難しいけど
「だいたい2年くらいですね」と答えています。
正確に言えば2年で完成する作品は少なくて、
5年以上かけて作られる作品もたくさんあります。

小さい作品ならば早いのかといえばそうではなくて、
工程数は大きな作品と変わらないから、やっぱり半年以上かかるものが多いです。

さて、多くの作品が2年後に向けて出発しているのですが、結果が出るのも当然2年後です。
さらに、2年後の自分の趣味は変わっているので、現在スタートしている作品が全て2年後に陽の目を見ることはありません。
実は途中で制作中止になるものも多数あります。
そういった途中の作品でも5年後に完成するものもあれば、今後手をつけないものもあります。
いったいなぜスムーズに進むものとそうでないものがうまれるなか。
考えてみると、
その差は造形の良さでした。

蒔絵という絵を描く仕事ですが同時に立体の仕事でもあるので、形が良くないと途中で制作は止まります。

もっと直感的にたくさんの作品が作りたいのですが、どうも漆は自分への2年後に向けたタイムカプセルみたいです。