言葉の罠

若いうちに色々な人からアドバイスをもらいますが
はっきり言って、良いものと悪いものがあるように思います。
「目上の人が言ってることだし。。。」
「自分経験不足だし。。」と思って鵜呑みにすると
得るものが無いというのまだマシで
害になるものもあります。

まず、
「なんでも良いからたくさん見ろ」
これは本当によく言われることだけど、
大雑把すぎる助言です。
例えるなら、ロックを目指してる青年に
「演歌から、AKB、クラシック、洋楽までなんでも聞け」って感じ
ここは好きなのを聞いとけってのが正解で
一枚のアルバムが一時間だとしたら活動時間が8時間しかない1日のうち8枚しか聞けないんだから
演歌とかクラシック聴いている場合じゃない。
「ロックを聴きまくれ!」

その2
「売れてるものがいい作品だと思ってるの笑」←売れてない人が言うこのセリフ
まず、売れてない作品より売れている作品の方がいい作品という可能性は高いです。
さらに言うと、売れてる作品のみが美術史に残る可能性を秘めています。
生前売れて無い作家で死後売れる美術作家はインパクトありますが
生前に成功して美術史に名を連ねる割合に対して
死後認められる可能性は相当低いです。
売れなくていいなんて言ってる人は
誰のお金で新しい作品を作っているのでしょう。

その3
「美術は食えない」
僕もたくさん言われて来たことなのですが、
「美術は食えない、漆は食えない」
これは嘘です。
僕が尊敬して会いに行った先生方はお金に不自由していませんでした。
まずその「食えない」という前提を振り切らなければならないし、
食えてる作家に一人でも多く会うべきです。

日本人でも世界と戦える作家が出て来ています
村上隆さんや奈良美智さんは世界の第一線で戦っていて
「貧乏、食えない美術」と無縁の世界にいます。
そういう第一線の人たちと同じ時代に生まれたのだから
さっさと会いに行けば
どの言葉が本当なのかわかる気がしませんか?