難易度が高いことが好き

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難易度が高い挑戦が好きですか?
僕は好きです。
特に、制作における難易度は高ければ高いほど燃える(萌える)タイプです。

子供の頃からずっとそうで、
「作る」こととなると、難易度をいつも求めていました。
この自分の性質が漆に合っていて、
漆はそこそこ作品になるまでの難易度がとても高いので
今までも、これからもきっと、熱中し続ける気がします。


難易度が高い理由は
それぞれの工程の互換性がほとんどないから、
全ての仕事がしっかりこなせるまで、うまいものが作れないということ。

例えば、下地にしても、
布着せとサビつけは全く違う作業ですが、
それぞれ完璧でないと、美しい下地になりません。
漆の漆黒を得るためには、塗りの工程と研ぎの工程が完璧でなくてはならず、
ツヤを得るには呂色をあげる技術が必要です。

ここまでが、塗りの工程で
加飾となると、また何通りにも別れています。
で、それを一人でこなす技術と使い分ける知識が折り重なり1つの作品ができます。


そもそも、分業制であったり
多人数制作で発達した分野だから、一人での制作は難易度が高いのです。
20代の後半くらいから、時間の制約によって作品の可能性が削がれていることに耐えられなくなって、
一人で作ることをやめました。
そして、新しい「チームで制作する難易度」に出会いました。
工房体制で作るというのは、物事をたやすくするためではなく、
より難易度の高いものを作るためのステップでしかありません。
運営をやりながら制作を加速させてゆくのは、今までの何倍も難しい。
だけど、作品のクオリティは確実に上がってきました。


僕が作っているものは
単体の作品ではなく、

○現代の工房体制
○漆芸を中心としたコミュニティ
○日本文化を海外へ同期させることのできる接点

だと考えています。
作品を介した一大文化圏を形成したい。
僕の人生の中でどこまでやれるのか。
難易度は高いけど、できる気がするし、
何より楽しいです。