2017年 初個展までの道のり

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2年前の2017年4月
僕は念願の初個展を開催することができました。
高校生の時から漆芸を始めているから、個展までに15年以上の時間がかかってしまいました。

もともと百貨店で個展がしたいと思っていたので
初個展はギャラリーではなく、百貨店の美術画廊の一択でした。
その道のりを書いてゆきます。


◆活動の舞台
僕の活動の舞台は「日本伝統工芸展」という公募展です。
知っている人も多いかと思いますが、日本工芸会という公益社団法人が主催する展覧会です。
毎年NHK「日曜美術館」で紹介されます。65回を数える古い展覧会です。

この伝統工芸展はわりと百貨店の美術画廊とつながりがあり、
伝統工芸展入賞→百貨店での個展
というのはよくあるパターンです。

ただ、
漆の場合、狭き門なのです。
理由は2つ
1、作品数が少ない
2、作品単価が高く若手の作品を売りにくい
若手の作品でも最初から高いので、販売するのが難しく
個展の機会もベテラン中心になる傾向があります。

◆漆芸若手の活路は?
上記のように、漆芸の若手で個展の機会をもらうにはどうしたらいいのだろうか?
答えが全く見つけられず、先輩作家に聞きまくる日々が始まりました。
まず恩師に相談して「紹介してください」と頼んでも「わかった機会があったら紹介するよ」
となるも実際に話は進まない。
他のベテラン作家に相談したら「営業しなさい」とのこと。
だけど
「営業!?」美術での営業ってなに?て感じでわかりませんでした。

◆実際に営業する
いざ営業といっても、百貨店の美術って組織なので
誰になにをプレゼンテーションすればいいのかわからない。
実際にどんなポジションの人に話せばいいのか、今でもわかりません。
その頃僕はとにかく個展したいオーラを出していました。
(実は、百貨店での個展がハードル高くて、いろいろなギャラリーにもアプローチしました。
しかし、まだまだ個展できるレベルじゃないね。って感じで、全然話が進みませんでした。)

◆転機
転機が訪れたのは僕が30歳の時、日本伝統漆芸展で最高賞の「文化庁長官賞」を受賞した時でした。
関東にいる若手作家は展覧会の作品撮影の際、桐箱から作品を出す仕事を行います。
その日撮影の当番に行くと「浅井くん、賞とってるよ」とその場で知らせてもらいました。
めちゃくちゃ嬉しくて、その場にうずくまってると。
「最高賞とったんだから、浅井くんに個展させてあげてよ」とベテラン作家さんが西武の担当者に進言してくれて、
そこにいた担当者も「検討してみます」という流れになりました。
「ついにきた!!」

◆その後の平行線
だけど、そこから話が進みませんでした。
その時にいた担当者は直接的な決定権がなかったので、ちょっとしたノリで話したような感じで具体的な話になっていませんでした。
そこで、「西武で行う小さなグループ展に参加させてもらって、実績を積み上げよう」という感じで年末の「おわん展」に参加させてもらいました。
とにかく一生懸命作品を作って、できるだけ会場にいて作品を買ってもらいました。
作品がいくつか売れたので、改めて担当者に「個展の話を進めたいんですが」と決定権のある人に紹介を頼みました。

◆期待値ゼロからスタートする
先方としてはあまり乗り気ではないけど、漆芸展、おわん展とつながりができ他のでゆっくりと話が前に進み始めた気配がありました。

全然スムーズではない僕の個展までの道のりはこんな感じです。
個展というのは多くの人と時間とお金が関わってきます。
(例えば池袋のスペースを1週間借り続ける、そして問い合わせに対応する。ホームページを更新するなど、
多くの時間がかかるのが個展です。「大丈夫かな?」腰が重くなるのも納得)
自分の作品が、世間とつながるための商売になるかが試されるハードルというのを実感しました。

個展が決まってから、制作、個展スタートまでの物語はまた書きます。

2017年 初個展までの道のり」への2件のフィードバック

  1. 松田権六さんの蒔絵には
    伝統的な日本画が内在されていました。

    田口善国さんから、
    その日本画が解体されて、
    幾何学的なデザイン化が
    表出されました。

    現在では、
    図形的なデザインがほとんどです。

    それは極めて美しいのですが、
    人間の美しさで完結していて、
    人間の外(自然)への通路を失っています。

    伝統工芸展を見に行かなくなった、
    一番の理由です。

    1. 確かに最近の伝統工芸展は幾何学的な表現が多いです。
      ある部分で、時代の雰囲気が投影されているとも言えます。
      それでもいつもでも同じ状態が続くことはないので、絵画的表現へと展開することも考えられます。
      僕の作品も、写実的な表現へと移行していくように思えます。

      機会がありましたらぜひ伝統工芸展へまた足をお運びください。

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