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漆の苗作り

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実家に戻って漆の苗木を作ってきました。
漆の苗は種から作る方法と根から作る方法があります。
我が家の漆は種ができないので、根から増やします。

他にも、ひこばえ(親の木から伸びた根から生えてくる若木)を移植して増やしたりしています。
実家には3箇所に分かれて約200本の漆が植えられていますが、
全てが順調というわけではありません。

全国から取り寄せた苗木を増やして植林をスタートしましたが、
うちの場合、新潟の木が最も成長が早く、他の産地の木は10年以上の樹齢になっていますが、採取できるサイズに成長していません。
また、立ち枯れの問題もあり、コンスタントに採取→伐採→植樹というサイクルを作れていません。

今後は成長の良い新潟の木を増やしつつ他の木の成長を見てゆくつもりです。
埼玉から京都に移住したので、漆の木の世話する機会も増えました。
今後もしっかりと良質な漆の生産を作品制作に繋げて行きます!

美の予感 2019 -∞ directions -

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日本橋高島屋からスタートします
「美の予感 2019 -∞ directions -」
若手の工芸作家が8人が出品する展覧会です。
この展覧会は高島屋を4会場回る展覧会なので、お近くに巡回してきた際には、ぜひご覧いただきたいです。
会期と会場は下記の通りです。

【会期・会場】

日本橋展=2019年3月6日(水)→12日(火)6階美術画廊(A・B)
大 阪展=2019年3月27日(水)→4月1日(火)6階美術画廊(A・B)
京 都展=2019年5月8日(水)→14日(火)6階美術画廊(東・西)
名古屋展=2019年5月29日(水)→6月4日(火)10階美術画廊

【出品作家】
浅井康宏(漆)佐々木類(ガラス)染谷聡(漆)高橋賢悟(鋳金)
丹羽シゲユキ(陶)津守愛香(陶)前田恭兵(七宝)山本優美(陶)
(五十音順、敬称略)


今回の展覧会について僕はツイッターとか、Facebookで制作途中の作品をアップしまくっています。
それは、京都に来てから制作してきた作品の集大成的な初の展覧会だからです。
2017年の初個展を終えて一皮剥けた僕の作品を見てもらえる機会として、この展覧会には俄然力が入りました。

出品作品としては、
○箱物1作品
○平棗2作品
○香合2作品
○高坏1作品という感じの出品となる予定です。


今まで僕の活動の中心は「日本伝統工芸展」という公募展が中心だったのですが、
このような工芸の枠を超えた展覧会に参加できるのはとても光栄です。
何よりも、熱心に誘ってくださり、展覧会に向けてコミュニケーションを欠かさず、
展覧会を立ち上げてくれた高島屋美術の担当者の方にはとても感謝しています。

それでは、会期まで精一杯制作してまいります。
また、制作途中の画像もたくさんアップして行きます。

東京会場ではアーティストトークも予定されております。
どうぞよろしくお願いします。

売れる作家と売れない作家

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実力が同じくらいでも、売れてる作家と、そうでない作家がいる場合、
その理由はなんなのか。
「そんなことがわかれば、誰も悩まない」と言われそうです。
確かに、そうですよね。

でも、実際に美術の世界は、いつの時代も二極化していて
一方は大家
一方は食えない業界というイメージ。
違いがあるとしたらきっと、
「今買わなければならない作品」もしくは
「今買わなければならない作家」であり続けることができるか、ということだと思います。

完売作家だと、もちろん「今買わなければ」となるのですが、
皆が、最初からそうではないので、ある時期から「今しかない」と思わせる雰囲気を
作品や作家から感じられるようになるはずです。


僕は以前作品から「今買わなければ」と思うものがあって買った作品があったのだけど
その作家は過去の人になってしまいました。
あの時は輝いているとおもったのに、時の流れは残酷です。
きっと彼は再度浮上してくることなく、僕の持っている絵の評価も買った時以上に上がることはないでしょう。

何が言いたいかというと、
作品には確かに「今買わなければ」と思わせるものはあったのです。
ただ、作家活動を通して、強い前進や人生を貫くようなビジョンがなかった。
いや、伝えきれなかっただけかもしれない。
売れるというのは、作品の良さというのは前提で、
さらに作家の活動や、ビジョンがあって成り立つものです。

誰かのストーリーを楽しむなら、
その主人公は魅力的なほうがいい。いつも新しい戦いに進んで飛び込んで欲しい。
作品は短編かもしれないけど、人生は長編の物語です。
その時々の「今」があって、
その「今」を共有できる力こそ
売れる作家に必要な力でしょう。

小手先でコントロールできない、
生身の人間の「今」が作品になるから
「今買わなければ」と思わせてくれる、何かが作れるはずです。

プロ意識

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フリーランスでも企業に所属している人でも、
出世する人は支払う対価に対してサービスが優っている人。
つまり、提供できる価値が常に高い状態を作り出せる人です。

僕も一応プロとして活動しているから、
仕事の質と意識に常に気を配っています。
そして、あまり便利ではないのですが、
他人のプロ意識も丸わかりになります。

他の作家の作品のそれを理解するならいいんだけど、
日常のサービスにも敏感になってしまいます。
例えば、料理屋のサービスとか、
エンターテーメントの質とか、
気になってしまうことがあります。

別に口にはしないけど
「こうしたほうがいいんじゃない?」ということは多いです。
逆に「すごいサービスだ嬉しい!」と思うこともあります。
その仕事に夢中になって、熱心に取り組む人は魅力的です。

人生の中で仕事している時間は長い。だから
今自分のやっていることを極めようとするのは理想的なのだと思います。
だけど、それって簡単なことではないですよね。
まず、
●好きが仕事になるのか
●仕事が好きになるのか
実際のところわかりません。

僕の場合、漆芸作家という職業が経済的に成り立つモデルがないところから始めたので、
純粋に好きを突き詰めていって、力づくで仕事にしました。
だから、好きが仕事になったと言えます。

好きなことしかしていないのだからそこを突き詰めるのは当たり前ですが、
職業選択の際に、大まかにでも自分の適性と照らし合わせて
「この仕事をしよう」と選んだのなら、一定のレベルを目指すのをお勧めします。

というのも、ある分野で一定の水準まで自分を高めることができた経験って消えないんです。
例えば、僕が漆芸家でなくなっても、他の分野で一定のレベルに到達する自信があります。
これは成功体験から生まれる自信かもしれないし、
一度通過したプロセスを他の分野で適用できるからかもしれません。
活動に器用になっていると思います。

とりあえず、プロのレベルに達している人は側から見てわかるし、
他の分野においても、経験が活かせると思います。
何より、社会の活力になると思います。

合わない仕事や、辛い職場ならさっさと辞めたほうがいいけど、
常に高いレベルの仕事をしようとする姿勢は大切。

才能のない奴が生きてゆく方法

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業界にはそれぞれ天才的な才能を持つ人がいます。
残念ながら、僕は天才ではありませんでした。
僕にとっての天才とは、表現と社会との接点を感覚的に掴む能力が高い人。
そして、見つけたきっかけにどこまでも純粋であれる人です。
僕はそうじゃないんです。

でなければ、漆を始めてから15年も作品が一点も売れないなんてことはなかったはずです。
僕の作品が初めて購入してもらえたのが、29歳の時だから、そこまでは社会との接点はありませんでした。

ただ、個展を機に自分と社会、そして作品と現代との接点を見つけたのは確かです。
そのことについて自分なりに考えてゆくと、見えてくるものがあります。
まず、
前提として自分は天才型ではないと自覚していて、努力型の戦い方を模索していた。
美術において、少しの挫折したりはしたけど、漆に関して劣等感を抱くことはありませんでした。
ただ、自分が天才ではないと思っていたので、「漆の努力はなんでもしよう」と言う決意はありました。
僕の作業量はとても多くて、毎日定時に作業を始めてそれを何年も続けてきました。
才能がなくても量でなんとかなるという単純な発想です。今もそれは正しいと思っています。

本をたくさん読む
本は読んでいて良かったと思うことが多いです。
例えば、アイデアが生まれる構造って解明されているので、
脳科学とか、デザイン系の本を読み漁っていると、どのような仕組みで新しいものを生み出せるか書いてあります。
ひらめきを産むために、努力できると知って、僕は随分励まされました。

人を尊敬する
大学に入って専門的に何かを習うと「あれ、今までと何か違うな」という実感があります。
別に大学でなくてもいいんだけど、実地で掴み取った凄みのある人は大学の先生や修行先の師匠という形で人生に登場してくれます。
その人たちの技術はもちろんですが、考え方を学びました。
純粋に尊敬しまくっていたし、今でも尊敬できる人は多いです。
そして、お客様を尊敬しています。
なぜかというと、僕はたまたま漆という素材に出会って、中の人となりましたが、
そうではない目線で漆の魅力を発見してくれた人。
僕はよくご飯に連れて行ってもらったり、逆にお誘いしていろいろなことを教えてもらいました。
純粋に、お客様を尊敬しています。
多くの知識や経験を持った人たちと漆で繋がることができたのは幸運です。


美術の道は長くてこれからも続いてゆくけど、
僕が才能に奢って、何か活動が狭まることはありません。
才能がないを前提にしているから、圧倒的な努力でそれを埋めようともがき続けます。

答えはないんだけど、
明日また、同じ時間に作業部屋に入って、作業することはできます。
毎日淡々と、漆を続けることが、
才能のない奴が生きてゆく方法で、その先には光があると信じているんです。

進まない作業をアップし続ける

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ここ最近
あまり変化はないけど、作品の進み方とか作業手順が見られるように
棗の作業をツイッターでよくアップしていました。
この作品はスタッフと常に二人で作業に当たっていたので、これでも早く進んだ方です。

もっと劇的な、アーティスティックな作業内容があればいいのですが、
僕の作業とは、一年の大半このような地味な作業です。

たくさんアップしたのには理由があって、
この作品は公募展にしないため、途中経過をアップしました。
普段は公募展作品だと、出来るだけ未発表のまま
ジャーン!と発表したいので、途中アップしないんです。


今後の作業としては
金と貝が貼り終わったので、
「固め」という上から漆をかけて、貼ったものを固定して
上塗りを入れます。
その後研ぎあげて、磨き完成となります。
二月中に完成予定です。

発表は3月から始まる
「美の予感展」です。

難易度が高いことが好き

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難易度が高い挑戦が好きですか?
僕は好きです。
特に、制作における難易度は高ければ高いほど燃える(萌える)タイプです。

子供の頃からずっとそうで、
「作る」こととなると、難易度をいつも求めていました。
この自分の性質が漆に合っていて、
漆はそこそこ作品になるまでの難易度がとても高いので
今までも、これからもきっと、熱中し続ける気がします。


難易度が高い理由は
それぞれの工程の互換性がほとんどないから、
全ての仕事がしっかりこなせるまで、うまいものが作れないということ。

例えば、下地にしても、
布着せとサビつけは全く違う作業ですが、
それぞれ完璧でないと、美しい下地になりません。
漆の漆黒を得るためには、塗りの工程と研ぎの工程が完璧でなくてはならず、
ツヤを得るには呂色をあげる技術が必要です。

ここまでが、塗りの工程で
加飾となると、また何通りにも別れています。
で、それを一人でこなす技術と使い分ける知識が折り重なり1つの作品ができます。


そもそも、分業制であったり
多人数制作で発達した分野だから、一人での制作は難易度が高いのです。
20代の後半くらいから、時間の制約によって作品の可能性が削がれていることに耐えられなくなって、
一人で作ることをやめました。
そして、新しい「チームで制作する難易度」に出会いました。
工房体制で作るというのは、物事をたやすくするためではなく、
より難易度の高いものを作るためのステップでしかありません。
運営をやりながら制作を加速させてゆくのは、今までの何倍も難しい。
だけど、作品のクオリティは確実に上がってきました。


僕が作っているものは
単体の作品ではなく、

○現代の工房体制
○漆芸を中心としたコミュニティ
○日本文化を海外へ同期させることのできる接点

だと考えています。
作品を介した一大文化圏を形成したい。
僕の人生の中でどこまでやれるのか。
難易度は高いけど、できる気がするし、
何より楽しいです。

「URUSHI 伝統と革新」ご来場ありがとうございました

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1月26日に「URUSHI 伝統と革新」横浜そごう会場でのレクチャートークを行ってきました。
ご来場いただき、まことにありがとうございます。

講演会とか、ワークショップは最近増えてきましたが、
いわゆる列品解説というのは今回が初めてでした。
だけど、実際に作品を目の前にして話すことができるので、特にデータを作ることもなく
会場で説明するという流れで解説を行いました。

日程が土曜日だったこともあり、たくさんのお客様にご来場いただき、
正直ドキドキしました。
ただ、話し始めると、大好きな作品の解説だから、いくらでも話すことができました。
現代漆芸マニアとしては、テンション上がりっぱなしでした。
「この作品のここをみて!!」というのが、少しでもお伝えできたのではないでしょうか。


嬉しかったのは、
今までSNSやメールでしかやり取りのなかった方にお会いできたことです。
遠くからおいでくださった方もあり、本当に嬉しかったです。

漆のことが、十分伝えきれたとは全く思っていません。
でも、作品を前にして
「現代の漆芸ってこんなに素晴らしいんですよ」という僕の思いはお伝えできたと思います。

「URUSHI 伝統と革新」は
静岡県 MOA美術館へと巡回してまいります。
http://www.moaart.or.jp/events/urushi/

2019.03.15|金| – 2019.04.16|火|


3月6日から始まる
日本橋高島屋 「美の予感」も作家のトークイベントが予定されると思います。
またお会いできましたら幸いです。

「URUSHI 伝統と革新展」レクチャートークします! 

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「URUSHI 伝統と革新」の横浜そごう会場の会期もあと少しとなりました。
26日にレクチャートークします!
14時から約1時間解説してゆく予定。

内容としては

○蒔絵の技法について
○蒔絵に使う道具の説明
○実際の作品を見ながら解説

という流れで考えています。
僕の作品は蒔絵玳瑁飾箱「Zipangu」が出品されています。
今回は残念ながら展示ケースに入っているので、中をお見せすることはできませんが、
自作についても説明しようと思います。

とても充実した展覧会で、僕にとって「漆っていいな」という初心に戻れる機会となりました。
会場でお会いできれば幸いです。

サイトは下記
https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/19/urushi/

3月6日から始まる日本橋高島屋「美の予感」展について説明するよ

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ツイッターで情報を投稿している「美の予感」展
今回の展覧会は、SNSを通してあらかじめ情報を出していて
制作過程もどんどんアップしています。
一人でも多くの人に見てもらいたいと思う展覧会です。

「美の予感」は今回で4回目?の展覧会で隔年で若手の工芸作家の作品を発表する企画展です。
各地の高島屋を巡回する展覧会で、
日本橋展=2019年3月6日(水)→12日(火)6階美術画廊
大 阪展=2019年3月27日(水)→4月1日(火)6階美術画廊
京 都展=2019年5月8日(水)→14日(火)6階美術画廊
名古屋展=2019年5月29日(水)→6月4日(火)10階美術画廊

上記の日程で巡回します。
この展覧会は、過去に桑田拓郎さんや新里明士さんなど、
僕が尊敬している作家が参加しているので、俄然燃えます。
高島屋さんも図録の制作も行うし、巡回展であることから重要な展覧会と位置付けられています。

たぶん、この企画展は伝統工芸系の作家があまり参加してこなかったように思うんです。
どちらかというと、現代アート寄りの展覧会だったように思うから、ここに入れたことは自分の中でとても重要です。
伝統工芸展に出品している作家て、どこかで線引きされているように感じることが多くて、
「ああ、伝統工芸系の人ね」と、よく言われます。
別にいいんだけど、ただ、機会が少ないこと、展示場所が限られるのがストレスでした。
最近は活動の範囲が広がってきたけど、所属団体とか、出品場所で分けられたくないですからね。


出品数は5点の予定です。
全部渾身の作です。
今後、「美の予感」の情報をたくさんアップしてゆきます。
お近くに巡回してきたら、是非見にきてください!