カテゴリー別アーカイブ: おすすめの本

「月刊美術」に作品掲載

月刊美術の12月号に作品一点紹介していただきました。
今回の特集は、今年一年を振り返る特集です。
6月号の工芸特集で紹介していただいた流れで掲載していただきました。

作品は酒器です。
「定番の」という風にご紹介していただいていますが、今回は貝の色を変えた新作です。
木地自体は僕の定番の形でしたが、今回作った2点で木地がなくなったので、最後の作品となります。
写真ではシンプルな色合いですが、実物は赤い貝の部分が、角度によって赤から緑に変化するので
写真の印象より派手です。

2点作ったうちの最後の1点は年末、西武池袋の「うるし・うつわ・お椀展」で発表しようと思います。
ご希望がございましたら、予約受け付けますので、ご連絡ください。
メールアドレス yasu69689@hotmail.com

この酒器、制作に加飾だけで3週間みっちりかかります。
だから、作家の利益はありません。
今まで、知り合いに優先的に紹介していました。

小物制作も、実は展覧会制作と同じ工程で作っているので、
今後、作るのが難しくなってゆきます。
変な話ですが、クオリティ追求しすぎて売れても赤字になってきました。
値段を上げないのは、工芸家としての「使えるもの」としての有りように対するこだわりみたいなものです。
実用的な酒器に20万円以上はつけたくないからです。
使ってこそ美しさの真価を発揮する酒器を作りました。


数年前から少しずつ雑誌に作品を掲載していただけるようになりました。
伝統工芸の漆芸という分野は少し前だと、何かに取り上げてもらえる機会は多くなかった。
少しずつだけど、漆芸の今が伝わり始めているような実感があります。
もちろん僕のブログも伝える気持ちから書いています。
いつも本当にありがとうございます。

よかったら「月刊美術」買ってみてください!

漆の新刊 「URUSHI 伝統と革新」が発売

漆の新しい本が発売されました。
「URUSHI 伝統と革新」というタイトル。
この本は、同名の展覧会の展覧会図録として作られております。

さて「URUSHI 伝統と革新」展は現在石川県立美術館で開催されております。
石川県立美術館 https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/2594
その後
横浜そごう美術館 
MOA美術館
と巡回します。

僕も蒔絵玳瑁飾箱「Zipangu」を出品しております。
もちろん図録にも掲載されておりますので合わせてよろしくお願いします。


以下石川県立美術館ホームページより一部転載

日本は世界に卓越する工芸の伝統を有しており、なかでも漆芸は、
日本を代表する工芸として1300年以上の永い歴史を持ち、芸術的にも技術的にも高度の発達をとげ継承されてきました。

1983年より伝統工芸の精神にそって今日の生活に即した創意ある作品を発表する場として、大場松魚・田口善国・赤地友哉・増村益城・塩多慶四郎らが中心となり日本工芸会の専門分野別の組織としての漆芸部会が第1 回伝統漆芸展を開催し現在に至っています。

そして今日、漆芸部会には蒔絵の室瀬和美、中野孝一、
髹漆の大西勲、小森邦衞、増村紀一郎、
蒟醤の磯井正美、太田儔、山下義人、沈金の前史雄、
螺鈿の北村昭斎の10名の重要無形文化財の保持者がおり、
本展はその日本工芸会の漆芸部会展である日本伝統漆芸展が第35回展になるのを記念して開催いたします。

近代漆芸を江戸時代末期から戦前までを近代の名匠、
戦後の重要無形文化財制度により伝統的工芸技術をふまえた上に新たな創作活動の重要性を強く求め日本工芸会の設立、
さらには日本伝統漆芸展の開催と現在活躍している作家を含めて今日の漆芸の世界を4つの章から俯瞰できるような展覧会といたします。

以上石川県立美術館ホームページより


「サピエンス全史」これは、、本当にオススメな本です。

書店に行くと〇〇がオススメしてる!!みたいな帯の本をよく見かけますが、
「サピエンス全史」という上下巻の本は、ビルゲイツが絶賛しているみたいです。

ちょっと難しそうなイメージの本で、しかも上下巻という分厚さ、とっつきにくそうだけど、
レビューがかなりいい感じです。

さて、この本のすごいところは、ある意味著者の超主観が入っている部分だと思うのです。
だから、「全史」とありますが、歴史書というより「物語」としてサラサラと頭に入ってきます。
例えば、上巻の前半部分に人類種は複数存在しており、それがホモ・サピエンスを残して全て地球上から消えてしまった。
その理由はホモ・サピエンスの組織力による攻勢であり、他の人類種に無くてホモ・サピエンスが持っていたのは、
物語の力だという著者の考え方。
つまり、何らかの信仰(物語)なり、信念で集団を作ることができたホモ・サピエンスは、
見ず知らずの人とも共通の信仰(物語)を元に組織を形成し戦うことができた。
一方、他の人類種、例えばネアンデルタール人などは、主に家族単位か、その集合体程度の組織力しかなく、
そのため組織力に優れたホモ・サピエンスにより徐々に勢力を弱めて、そして地球上からいなくなった。

すごく、理解しやすいですし、情景が浮かぶストーリーです。
だけど、このストーリーは作者の考え方による仮説ですよね。もちろん発掘物などから
組織の構成などの情報はあるでしょうが、彼らの社会形態を知るすべは極めて少なく、現在の結果から仮説を立てるしかないところも多々あるわけです。

しかし、僕の想像力をかきたててくれる本書は、ただの歴史書ではないのです。
全編がホモ・サピエンスという私たち人類種について書かれているので
私たち人類がどう変化してきたか、そしていかに変化してきていないかを物語のように語りかけてくれます。
つまり、美術を必要としてきた感情であるとか、
資本主義と人間のあり方とか、アートや市場性の教科書のようにも受け止められるのです。
実際、僕はこの本をビジネス書だと思いました。
そして、美術史でもあると思ったのです。

人生というのはたかだかしれた短いものですが、人類の物語から自分の生き方のヒントを得られるような気がします。
最近読んだ一番想像力を掻き立てる本でした。

漆のおすすめ本 沢口悟一著 「日本漆工の研究」 リライト記事

漆制作者にとってのバイブルともいえる名著です。
内容が広く深いので完全に実用書といえる本書ですが
漆工史もしっかりと網羅されています。

また、産地ごとの漆器の特徴を紹介されていますし
写真も多いのでわかりやすいです。

布製ハードカバーに化粧箱付きといった豪華な佇まいなので
作業場に置いてペラペラめくるのには不向きですが
制作に必要な事がほぼ全て書かれているので
技法の復習や、調べごとには最適です。
巻末に索引があるので用語から調べる事ができるのも便利です。

ただ、作者は技術者ではなく研究者としての側面がつよいため
現実的ではない事が書かれていたりもします。
伝統的な技法を解説とともに、簡略された方法論の提案が随所にあります。
科学素材を使ったものや、ちょっと現実的に厳しいんじゃないかと思えるような
提案がいくつかあります。
この技法は難しくて、熟練の技術が必要なのでこういう方法でやってはどうか?
という感じでたくさん提案してくれます。。聞くところは聞いて流すところは流しましょう。

僕は技術の習得には時間がかかるので、それらの簡略法は今のところ手を出さないで
基本に忠実にしていようと思います。
いずれは試してみたい事もあるので、これから先も何度も見直す一冊です。

しかし、そういった提案がたくさん書いてあるというのは、著者の情熱と研究が
あってこそと言えます。全てを含めてすごい本である事は確か。

日本漆工の研究」1966年をどうぞ。

この本は初版が1933年です。
その後、1966年に復刻されました。
僕が持っているのは復刻版の1966バージョンです。
1933年バージョンは見た事がないのですが
旧仮名遣いだということで、読むのに抵抗があるかと思います。
資料的には貴重ですが、実用的には不向きなので
1966年の復刻バージョンをお勧めします。

見た目も内容もかなりプロ向けの一冊で
間違いなく漆芸の技術系書籍ではナンバーワンの内容です。
価格は19000〜40000円といったところで流通しています。
(現在60000円台が主流になりつつあります。)
価格帯も合わせて入手難易度は星3ですが
おすすめ度は星5つです。

ただし、入門書ではない事は確かなので
購入は慎重に。

漆芸の入門は以前書いた記事
佐々木英著「漆芸の伝統技法」がおすすめです。
Amazonからいつでも購入できます。

その後は漆芸のバイブルこの一冊
沢口悟一著
日本漆工の研究」1966年をどうぞ。

卒業・入学シーズンだからまたオススメしたい漆のバイブルはコレ

各大学の卒業写真がsnsにアップされてますね。
就職が決まってる人、決まってない人、進学など
それぞれ新しい道を歩んで行く季節になりました。

大学や研究所出てみても、「漆のことは全部わかった!」となるのは難しい。
かと言って、学校ごとに教科書があるわけでもありません。
卒業後は書籍に頼らなければならないのが現実です。
そんな時にオススメしている一冊があります。
僕のブログの紹介している書籍の中でも一番人気の本

佐々木英著
「漆芸の伝統技法」
オーム社出版

この本は毎年この時期にご紹介しています。
内容が幅広く、あらゆる技法を解説してくれています。
写真が特別多い本ではありませんが、塗りから加飾の技法が細かく解説されています。
そして、この本が最も優れていると感じられるのは
著者の佐々木英が作家であったこと。
つまり作り手の痒いところに手が届くタイプの本です。

かと言って、技術に偏った内容ではなく、
知識としての漆工についても理解しやすいようにまとまっています。
かなり作り手寄りの一冊ですが、知識の理解もこの一冊で十分で、
初級者から超上級者まで長く読み込める名作です。

しかし、最近気が付きました
この名作にも絶版の危機があったようです。
どうやら1986に 理工学社から出版された本書だけど
2014年からオーム社からの出版となっています。
現在購入する場合はオーム社バージョンになります。
理工学社が廃業などしていたのならば、一度絶版の危機があったのかもしれません。

同じく理工学社から出版されていた
梅田 総太郎著「木工の伝統技法」という木工の本が絶版となってしまっているので、
「漆芸の伝統技法」が残っていることはとても幸運に思います。

今後も漆芸を目指す人の座右の名著としてずっと出版され続けてもらえることを切に願います。

アマゾンから購入できます。

過去記事も合わせてどうぞ
漆のオススメ本 佐々木英著 「漆芸の伝統技法」

ヤフオク漆関連書籍情報

ヤフオクにもたまにしか出品されない
「日本漆工の研究」が出品されてます。
この本に関しては何度も記事に書いていて
オススメ度五つ星ですが
Amazon市場で高騰してて、手が出せない本になっているので
ヤフオクで買うのが良いでしょう。

今回の出品商品は価格はそんなに高く無いんだけど
外箱の状態があまり良く無いですね。
それ以外は概ね良さそうなので、
「どうしても今すぐ日本漆工の研究が欲しい!」という方は
落札してみても良いかもしれませんね。そんな人いないか笑

それと田口善国先生の豪華図録も出品されているので要チェック
こちらは価格、状態共に良さそう。

雑誌掲載情報

6月20日に発売されました
「月刊美術7月号」に作品を紹介していただけました。
特集が「10万円でアートを買おう!」という特集なので
僕の作品も紹介されて、そして売ってます!

雑誌の企画のために制作した帯留を2点出品しています。
10万円代ということで、価格は198,000円です。

企画が企画なので価格をつけて紹介されていますが、
「買って!買って!」というよりは
美術雑誌として楽しんでもらいたいし、
全国紙で取り上げてもらえたのは初めてなので
単純に嬉しいです。一人でも多くの人に雑誌を見てもらいたい気持ちでいっぱいです。

工芸全般は認知が高まっていますが、僕のやっている伝統工芸の分野って
なかなかメディアに取り上げてもらえなくて、ある種の閉塞感がありますが
王道の蒔絵でも少しずつ、社会的なアプローチの幅が広がってゆくような気がしました。

(以下月刊美術公式ページより引用)

\ 月刊美術7月号 6月20日(火)発売です /
巻頭特集は【10万円でアートを買おう!】
「美術品コレクションの楽しさをひとりでも多くの人に体験してほしい」
そんな願いをこめて編集部員イチオシのアート作品を誌上販売いたします。
川島優/阿部観水/森村智子/木村遥名/新家未来/玉井伸弥/藤木貴子/森山陽介/石川総一郎/本木ひかり/塩月悠/田嶋健太郎/永井祥浩/山田彩加/遠藤美香/山浦めぐみ/水野淳子/窪井裕美/永島千裕/麻生知子/大竹彩奈/福田季生/潮田和也/顧洛水/水登麻里子/伊藤尚尋/遅野井梨絵/藤原泰佑/谷口朋栄/イクタケイコ/すー/梶川能一/小林智/若佐慎一/及川聡子/越智波留香/牛嶋直子/矢成光生/濱 圭/留守玲/佐野藍/藤田有紀/永島信也/浅井康宏/市川透/満田晴穂
総勢46作家の81点をドーンと紹介!
この機会にぜひ、とっておきの1点をお手元に☆
【展覧会】
齋藤満栄/西中千人 特別対談 ゲスト・古藤俊一
【今月の注目展】
風凜の会/佐伯守美展/リアリズム・アンソロジーⅣ/岩城大介展/瀞子/飾団扇/菊池円展
【団体展レビュー】
第103回 光風会展/第91回 国展/第94回 春陽展
【海外レポート】
アート北京/京畿道世界陶磁ビエンナーレ2017
《好評連載》
田村能里子「風のまほろば」
池口史子「夜明けのサウダージ」
本江邦夫の「今日は、ホンネで」 河口洋一郎(美術家)
アトリエ冩眞 池永康晟 (撮影:山下武)

「日本漆工の研究」が高騰してるので「漆芸の伝統技法」をおススメする

最近の「日本漆工の研究」(沢口悟一著)の価格帯はどうなってるかなーと思って見ると。。。
67,991円!!!!

「日本漆工の研究」はこのブログでもなんどもお勧めしてきた
名著・漆芸関係者(プロ)のバイブルですが、ここまで来ると高すぎます。
以前は、「大学卒業前に購入して、座右の一冊として
一生付き合う一冊」とお勧めしていましたが、
ここまで来ると資料的価値が高くなりすぎています。
(ちなみに僕は大学卒業時に購入しましたが価格は35,000円でした)

確かに、内容は漆工史から、産地の特徴
漆の特性・技法関連全般と幅広く
はっきり言ってしまえば、この一冊で相当な学識と技術的な知識を得られる究極の一冊といってもいいでしょう。
ただし、著者は技術者ではないため
この本の特徴である、技法の展開などの部分に少々実現が難しい提案があります。
まあ、それを差し引いてもすごい本には変わりがありません。

一方で「漆芸の伝統技法」(佐々木英著)は

著者がカリスマ的作家なので、実技面の著述は完璧で
「よくこれだけの幅広い技術を隙なく記してくれたなー」と今でも発見があります。
「日本漆工の研究」がここまで高くなってしまっているので
現在は、卒業前の一冊としてこちらをお勧めしています。
「漆芸の伝統技法」があれば卒業後誰にも聞くことができない
技法でも十分カバーしてくれます。

入手も現在でも流通しているので
手頃で、アマゾンからいつでも手に入ります。

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レビューも非常に好評で
この本の価値をごり押ししているのが僕だけではないことがわかります。

この本は作業机の隣に置いて、漆で汚れた手で何度も読み返す本としてふさわしいです。

オススメ図録がまとめてヤフオクに出てる

超オススメの図録がまとめてヤフオクに出品されています。
しかも500円スタートで。
これは買いですよ。
引越し前じゃなかったら、無駄に買い足したいレベルの名著が三冊

アローアートワークスの本は写真家の大堀一彦さんが撮影しています。
大堀さんは日本でも数少ない工芸、特に漆撮影の大家として活躍した写真家で、漆関係の図録写真には欠かせない人でした。
残念ながら、大堀さんは数年前亡くなってしまいましたがこの三冊は大堀さんの最も充実した時の作品集です。
写真はもとより、図録制作の細部にまでこだわった完成度の高い愛蔵版として一生手元における図録です。
本として圧倒的に美しいです。

三冊とも、オススメです!

漆を学んだ学生さんに卒業前に買って欲しい本。

卒業制作展のシーズンですね。
卒業後の進路の決まっている人、決まっていない人
いろいろな悩みや希望を抱えながら
卒業制作を終えて母校を旅立つ皆さま

卒業したら
いつもそばにいて、ちょっとした質問に答えてくれた先生はいません。
新しい技法にチャレンジするにも
手ほどきをしてくれる人がいなくなってしまいます。

卒業後の教科書としていつも作業机に
用意して欲しい本を紹介します。

佐々木英著
「漆芸の伝統技法」
この本があれば、学校で学んだ内容の復習と新しい技法のほとんどを調べることができます。
基礎的なこと、さらに応用的なことまで詳しく書いてあります。

著者は偉大な漆芸作家の佐々木英先生です。
この本に掲載されている作品もぜひ見ていただきたいですね。
内容は
漆の技法が細かく紹介されていて
下地から加飾まで十分すぎるほど詳しく書かれています。
写真も多いので、教科書としてとても役に立ってくれます。

卒業後に「あれ、この工程どうするんだっけ?」と思った時に
必ず役に立ってくれますよ。


次に
漆愛を育てるための一冊として

松田権六著
「うるしの話」
いまだに松田先生の影響力は強くて
僕自身もなんども読んだ本です。
幼少時代から戦前戦後、先生が生きた時代を漆というキーワードでリアルに語られた一冊。
そこに貫かれている漆愛に20代の頃心酔しました。

会うことはできないけど、松田権六という人を少しだけ感じることのできる一冊です。
漆の愛情補給にはこの一冊です。