カテゴリー別アーカイブ: 漆に生きる日々 京都編

35歳

昨日は誕生日
めでたく35歳になることができました。
35歳って、10代の自分が思っていたより、成熟していないですね。
平均寿命がのびているので、肉体と精神の成熟度が引き伸ばされているようです。

この本に興味深いデータがのっていました。
平均寿命は10年に約2年ずつのびていると言うデータ。
つまり、
現代の日本人の平均寿命が80歳代だとします。
80代の人と僕の年齢差は45年
10年で約2年の平均寿命の伸びがあるとすれば、
僕たちの世代の平均寿命はおよそ9年プラスすると考えて90歳代と言うことになります。
さらに、今日産まれた赤ちゃんは、僕との年齢差が35歳なので
平均寿命100歳というのが見えてきます。

これはデータなので、個人の寿命に直結するわけではないけど、
実際に正確な統計上、現代人の寿命は伸びています。


さて、肉体と精神の成熟度が過去と違うという話を冒頭で書きましたが、
若年層と同様に高齢者の精神的、肉体的な成熟も引き伸ばされています。
実感として、少し前の高齢者のイメージと今の高齢者では若さが違います。
サザエさんの波平さんは54歳の設定ですが、これは設定ミスではなく
その当時の平均的モデルだったはずです。

Wikipediaで調べてみると、
「サザエさん」連載は1946年4月22日〜

男女ともに平均年齢が50歳代ですね。

テレビアニメ「サザエさん」放送開始は1969年10月5日〜

子供の死亡率の低下で平均寿命は飛躍的に伸びていますが、テレビ放送開始時点でも60歳代が平均ですね。

つまり、波平さんの残りの寿命は10年くらいしかない、まさに老境にさしかかっている状況。
現代の54歳とはまるで残り時間が違います。
それに加えて、ルックスからくる老いも顕著で、波平さんはどう見ても70歳代にしか見えません。
平均寿命が長くなることによって、僕たちは、若い肉体と精神を手に入れています。

もし若者が頼りなく見えても、それは余命が十分にあるからです。
逆に、死の準備を出来ていない高齢者もたくさんいるように見えます。


人生が長くなるということは、平均寿命が短かった時代の人生におけるタスクを引き伸ばして行えるという考え方もあります。
また、余暇を十分にとるという、ライフワークバランスの調整などしきりに言われています。
ただ、僕にはタスクを引き延ばして同じ成果を得るより、
長い人生と、豊富な情報量を生かして、より遠くまで到達するという人生の使い方が適切だと思います。
明日がどのような日になるかはわかりませんが、どのような明日にしたいかという意思はコントロール可能です。
「人生を通してどこに到達したいか」というのを少し考えた35歳の誕生日でした。

日本産漆と中国産漆

以前のように中国と日本の人件費の格差はなくなりつつあって、
むしろ日本の人件費の方が安い分野もたくさん出てきていることでしょう。
中国製が安くて、粗悪というイメージももう古くて、家電や工業製品で価値の高いものをたくさん生み出しています。


さて、漆においても中国産漆は毎年価格が上がっています。
人件費の問題で、これは必然なんです。
先にも述べたように日本における漆使用のパーセンテージは完全に中国頼りできています。
ということは、中国産の漆が高くなればなるほど、
日本の漆器製造業は苦しくなるわけです。

今の漆器のブランディングって「高価なものを手軽に」みたいな感じなので
原価が上がることは死活問題になってきますよね。


ではどうすればいいのでしょうか。
僕は日本産漆の復興が打開策のひとつだと思っています。

植樹を進める

漆の木は植樹から採取ができるまでに時間がかかるので
早めに手を打っておくのがいいのです。定期的に植樹が続けられる状況を作ることがまずは必要です。

採取方法の研究

もう一つは、採取方法の研究です。
漆の採取は現在でも、幹に傷をつけ、そこから流れてくる漆液を一滴ずつ集めるやり方で採取されます。
これって、道具は石から金属に変わっていますが、縄文時代の採取方法と同じなんですよ。
伝統的な技術ではありますが、10年以上育てた木から牛乳瓶一本ぶんしか取れない
採取方法を現代まで続けてよかったのでしょうか。
幹を傷つけることなく、効率的に漆の木の樹液を採取する方法は必ずあるはずです。


伝統工芸の世界で効率化を唱えるのはタブーかもしれませんが、
漆の木を長年育てている立場からすれば、
現状の採取方法は例えるならば、牛乳を得るために、毎シーズン殺しているようなものです。
長期的に安定した採取できる方法が研究されるべきでしょう。
「漆掻きの伝統技法が失われる」と言われるかもしれませんが、
手絞りで得られる牛乳も、機械で得られる牛乳も同じ味です。
それに、後継者がいない過酷な労働ならなお、開発の必要があると思えます。

上質な日本産漆が
現在より安く、
より多く安定的に国内需要に回せるために変わる時期にきています。

美術とスタートアップ企業は似ている

ほとんどのアーティストは売れない時代を過ごします。
理由はいろいろありますが、アートを事業だと考えてみると答えや、対策が見えてきます。
まず、新規事業が成功する可能性がいかに低いか、
失敗する可能性がいかに高いのか。。。

新規事業やスタートアップの成功確率は極めて低く、米国の起業家養成型ベンチャーキャピタル「Yコンビネータ」のポール・グレアム氏によると、スタートアップの93パーセントが失敗する

(tech noteより引用)
新規株式会社が5年以内に倒産する可能性などのデータもたくさんウェブ上にあると思います。
結果からいうと、新規事業は80パーセント以上の確率で失敗するようです。

つまり、僕たち美術作家が「こういう未来を作りたい!」と思って作品制作をしている場合でも
その未来に対して賞賛が得られない可能性は大いにあるわけです。
残酷に言ってしまうと、美大を卒業した後、彼らをスタートアップの経営者だと捉えて
5年以上活動を続けることができる人材はほんの数パーセントだということです。

この現実の厳しさを知ってか知らずか、ここ何年も美大の男子学生は減り続けています。
「食えないスタートアップの美術を専攻するとヤバそう」という判断を10代の半ばで行なっている彼らは優秀です。
一部の天才を除いて、徐々に食える作家になるために、少なくとも約10年食えない時代を過ごすことが多く
僕自身もやっとたべれるようになったのは20代後半でした。

アートを事業と考えて、なぜこのようなことが起こるのか説明すると
作家=会社
作品=商品
無感情に置き換えてしまえば上記のようになりますが、
活動の最初期というのは、会社の知名度も信頼度も低く
商品の精度も低い状態なわけです。


そこから
商品を作り上げながら品質を上げてゆき
会社の知名度を上げてゆきます。
そのうちにギャラリーなり百貨店の美術画廊なり
信頼のある媒体の目に止まることとなります。
ここではギャラリーや美術画廊を仮に大手企業として置き換えます。

商品の質を高めることにより会社の信用が高まる。
そのうち大手企業と手を組むことができるようになる。
このあたりから、少しずつ一般的な知名度も上がってきます。

さて、スタートアップが大手と組んで仕事をするようになるまでの話をしましたが、
随分と時間がかかってしまいました。
1から自社製品を作りあげるのですから、当たり前です。
その間、製品を常にアップデートしたり、方向性を模索したり。。。まさに暗中模索を繰り返すわけです。
この時の心理状況を想像して見てください。

将来的に売れるかどうかわからないものを
赤字を垂れ流しながら作り続けている。
場合によっては応援してくれる人より、非難される場合が多くなるかもしれません。
それでも、続けてゆくことができるだろうか?
身の毛もよだつ話ですが、これがスタートアップの真実です。


30代になってみて、周辺を見渡すと、生き残った作家しかいない状況です。
彼らは優秀で、最後まで諦めなかった人たちです。
どんな状況であろうと休まず作り続けてきていたのを僕は見ていました。

一部の天才を除いたら、食えない時代を必ず通過します。
それは企業のスタートアップのように、成功率の低い試みです。
起業家の自伝を読むと、寝る時間を惜しんで、仕事に明け暮れる日々があり、
大きな挫折や失敗を乗り越えてきたことがわかります。
その先に明るい未来があると信じることができるなら、
また明日仕事部屋に入って次の作品を作り始めなければならないのです。

芸術家は孤独で貧乏な存在なのか。 リライト記事

芸術は売れなくてもいい。好かれなくてもいい。芸術は認められなくてもいい。成功しなくてもいい。自分を貫いてぶつけて無条件に自他に迫って行く事が芸術だ。
– 岡本太郎(芸術家)

日本では芸術家についての一般的なイメージってこんな感じではないでしょうか。
実際に美術教育もこういう

自分を出してゆくもの。
社会と隔離されたもの。
理想の世界。
気持ちを芸術活動に全力でぶつける存在。

みたいな教育が本気でおこなわれています。
僕は通信制の大学で日本画を学んだ経験がありますが
気持ちやプロセスを大切にする教育や、
売れない自己表現
わかりやすい情熱を画面にぶつける事が良い
そんな空気が大学全体を覆っているのに、とても違和感を感じました。

他人がどういう指針で美術と関わるかは個人の自由なのでどうでも良いのですが、
僕は美術は人や社会の中にあるべきものだと思います。
個人の内心や美意識はとても大切ですし、
それを画面なり制作される作品に投影させる事も大切です。
そのために日々の鍛錬をして、理想の状態を作り出すのが制作活動だと思います。

ただし、その前提には必ず
コミュニケーションが必要だと思っています。
自分の家で作って、自分だけが見てるなら良いのですが、
人に見てもらおうと思うのに
「売れなくても良い」
「理解されなくても良い」
「共感を得られなくても良い」
などと考えていると
せっかくの、自分の美意識を社会と共有すると言うすばらしい理想と
逆の方向の思考を作品に負わせてしまう事になると思うのです。

プラスの力とマイナスの力が一点に集中して
どこにも進めていない状態です。

僕は美術を志したとき
必ずプロになろうと決めていました。
制作活動で生活できるようになりたかったのです。
工芸を学ぶプロセスはその上でとても役に立ったと思います。

はっきり言ってしまえば
工芸技術を学ぶのに気持ちや感性など全く必要ではありません。

技術はいつも十分ではないですし
圧倒的な上下関係があります。
先生には敵わないのです。

そういった鍛錬や技術の伝達というのは
若い時代、美術と向き合うときに、とても大切なプロセスだと思うのです。

技術には個性の入り込む隙間がないのです。
自分の手や頭脳をその素材に捧げて、やっと自分の表現したい事ができる。

その先にあるものは
美を通したコミュニケーションだと思います。
僕にとって芸術とは社会とつながるためのコミュニケーションツールなんです。

なぜ若手作家は消えてゆくのか

高校生の時から美術の世界を眺め始めて
自分もその中の人になってみると、
色々なドラマを目撃して来ました。
その中で、美術のストーリーから脱落してゆく(脱落という言い方には語弊があるかもしれないけど)作家を幾人も見て来たわけです。
彼らは確かに、若手アーティストとして輝いていて
そして、心から憧れたけど、生き残ることができたのはほんの一握りで
いくつかの段階を経て、みんないなくなってしまいまして。

今話しているのは、大学なんかを卒業した後に作家として活躍していた人たちです。
彼らが目に見える場所からいなくなる段階とはどんなだったのか。
自分の長期活動を考えた時に、彼らが身をもって示してくれた教訓を生かす必要があると考えたのです。

一体何が起こっていたのか。

それは、、

作品が売れなくなってしまう

第一に表舞台からいなくなる理由は、売れなくなることです。
長期的な付き合いのあるギャラリーだって、売れない作家とそれ以上の付き合いを続けてゆくことはできません。


売れなくなる理由は複雑で、人の心の中にあるので一概に言うことができないのですが、
僕もいちコレクターの目線として、興味を失ってしまうタイミングがいつなのか考えてみると。

一作品で満足してしまう
不思議なことに、作品を購入して、さらに追加で買いたいと思える作家と
そうで無い作家がいます。

価格が見合わなくなる
ある一定の年齢になると、価格が上がったり
キャリアによって価格が上がると、ある段階で値ごろ感が失われる感じがあって、
それが購入の妨げになることは多いです。

作品がマンネリ化する
ここは難しいのですが、作風と展開の中でとめどなく揺れ続けるのが
作家でもあります。つまり、自分の作風を築いて、そして人気をはくすけど、
そこに一生閉じこもっていることはできません。
一貫した作品の印象が貫かれていても、変わり続けなければならないけど、
からを破ることができなくなってくる。

若くなくなる
これはどこの世界でも言えることだと思うのですが、
若さが武器になる部分はあります。
「若い人を応援したい」と言う、気持ちを持ったコレクターさんはたしかにいて、
作品が良いことは前提だけど、「若さ」に対する支援として購入してくれる人もいます。
だけど、若さは有限だから、ある段階でコレクターが自分より年下という状況に移行する必要があります。
その段階がうまくいかないと、生き残ることができません。


美術は人間のストーリーなので
割り切ることができない部分が多いけど、
一貫した信念が無く走り続けるには、作家人生は明らかに長いのです。
上に記した、作家が突破しなければならない壁を超えてゆく答えを自分なりに出してゆき、
同じ時代を生きる蒔絵の現在を強力に世界に向けて発信し続けること、
それが自分にはできると思えるんです。
1度目の答え合わせは僕が40代になった時でしょう。

漆の一般化は必要ない

漆業界における慢性的な問題点があるとすれば、
それは過度の一般化を目指すところです。

実は、日本において漆は十分に一般化した存在だと思っていて、
逆に一般化しすぎているのではないでしょうか。
考えてみてください。
漆という大量生産が難しく、高級な素材を使ったアイテムが、一般化している時代が過去どれくらいあったでしょう。
高度成長期を除いたら、過去、封建的な社会体制の中、一般の人が漆器を持つことは極めて難しかったのではと推測しています。(もう一度バブルが来たら漆器が飛ぶように売れる時代が来るかもしれませんが。)

大量生産品の陶器に対して漆器のコストがどれくらいの比率だったかわかりませんが、
日本という木材が豊富な国であっても、過去頻繁に一般的に漆器を使っていたとしても、
轆轤挽きの椀に数回の拭き漆がしてある簡素なものが限度です。

では現代では、あらゆるデパートに漆器売り場があります。安価なものから高級なものまでありますが、
一般的な暮らしをしていて、買えないほどではありません。
つまり、「一般にまで漆器が浸透していて、これ以上どこを目指すの?」という疑問に
「さらに安価なものを製作してより多くの一般人に広める」みたいな答えしか出てこない状況に陥っています。
この考え方の危険なところは
顧客のモデルが全く無いところです。
一般化って何でしょう?
一般人とは誰でしょう?。。。。。
一般人なんて、いませんよ。
僕とあなたがいるだけです。

だから、僕は常に誰かと対話するために作品を作ってきました。
多くの人に向かっては無いけど、本当に蒔絵の文化や美意識に関心を持ってくれている、
一人一人と話してきたつもりです。

どこにもいない誰かのために
「安ければ売れる」というマーケティング続けていたら、漆は無くなります。

一緒に仕事をしたいと思える人・したくない人

僕は自由業みたいなものなので、
会社勤めの人より、人付き合いについても自由な部分が多いと思います。
だから、はっきり言って、好きな人としか仕事しないし、嫌だと思えば断ることも多いです。
同時に、お客さんやギャラリーとの関係も「違うな」と思えばやめてしまえばいいと思っています。
誰かに合わせて、消耗して良いものが作れると思わないので。

さて、僕の小さな世界の中でも色々な業種の人と繋がって
物を作って、発表しています。
その中で、当然ながら
「この人、仕事しにくいな」と思う人
「この人のパフォーマンスすごいな」と思う人がいるわけです。
で、この違いとは何かと考えると。

最終的に、一つの究極の要素にまとめることができると思います。
それは、
「昨日のベストの少し先の仕事をしているか」
というのに尽きるのではないでしょうか。
完璧な仕事をできる人はいません。どんなプロフェッショナルだって、
ミスはしますし、ムラがあるのは当然です。
ただ、どの業界にも言えるのは、自分の限界を少しでも越えようと思う人は成長してるし、
結局のところ仕事がしやすいのはそういう人です。

当然、ベストの更新をし続けるのって、苦しいんですよ。
勉強もしなければならないし、失敗のリスクや、コスト計算したら赤字ってこともありますし、、、、
別に外注先に損してほしいとは思ってないけど、
一緒に仕事していて、楽しいのは、やっぱり成長し続けてる人だったり、業者さんなんです。
僕のいる業界は、いい意味でも悪い意味でもアーティスティックな人が多いので、
わがままな人が多いんです。で、平気で締め切り破ったり、パフォーマンス下がったりする人が多いんです。本当に。
僕もプロなので、仕事の内容でどれくらい力入れたか、すぐわかります。
それで、長期的に見たら、そういう人や業者は衰退してゆきます。
今はネット社会なので、口コミがとても重要な時代です。伝統工芸の世界ではまだネットが入り込んでない分野も多いから
口コミで人気になったり、反対に衰退することも少ないですが、淘汰の時代はすぐそこまで来ています。
今までのように、代々の知名度や地域的な優位性(有名な産地)で勝負できない時代になります。

そんな時、必ず「一緒に仕事をしたいと思える人」しか生き残って行けないんです。
今回、根付作家の上原万征さんと一緒に仕事させていただいて、
仕事からヒシヒシとプロ意識が伝わってきました。
「またこの人と仕事できたら幸せだな」そう思えました。

だって、この仕事見たら、俄然張り切っちゃいますよ。

漆芸の二つの基軸

特に漆の場合、作品の幅を持たせようとした時に、作品の性質がガラリと変わってしまうアプローチになってしまうことが多いんです。
これは、先にも書いたように、漆という材料が食器として優秀すぎるからなんです。
結果的に、全く違う基軸の作品を作ってしまう場合が多いんです。
でも、実はそれがとても危険で、現代漆芸苦境の原因だと思っています。

荒っぽくいうと、
ベンツと軽自動車は別の会場で売りましょう。
ベンツは軽自動車を作ってはダメです。
というわかりやすい話です。

なぜ今、作品の性質のことを書いているかというと
身近な人に「実用品を作っては?」と言われることがとても多いからなんです。
で、すごく作りたいんですよ。
身近な人に喜んでもらいたいですからね。

でも、割と早い段階で、実用的な漆器をやめたんです。
それは活動の一貫性が保てないからです。
その決断が正しかったかどうかの答えは10年後くらいに出ているでしょうか。

新作コラボ作品の出品情報「しゅきや」

出品情報
根付作家の万征さんとのコラボ酒器作品を出品しております。
作品を展示している「しゅきや」はチケット無しで入れるので、お酒が苦手な方でも気軽にお立ち寄りいただけると思います。
お時間がございましたらよろしくお願いします。

以下 公式プレスより
中田英寿が代表を務める株式会社ACCA は、2018 年4 月20 日(金)~30 日(月・祝)の11 日間、東京・六本木にて、日本全国から選りすぐりの酒蔵が出店し、日本酒の魅力をあじわい尽くせる“SAKE”イベント「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2018」内にて日本酒酒器専門店「しゅきや」を開店することを決定いたしました。
日本酒酒器専門店「しゅきや」では、国内や海外から様々な評価を得ている工芸作家を選定・開発し、現代の日本酒をより楽しく、美しく味わうことができる酒器を販売します。
今回「しゅきや」に参加するのは、美しい蒔絵のみならず、独自の世界観
が生み出す造形美が相まって、見る者を魅了する作品を数多く手掛ける浅井康宏氏や、梅花皮や石はぜといった陶芸の技法に基づきながら、ファッション、ダンス、自然の原理からもインスピレーションを得て生み出す、独自の表現が国内外で高く評価されている、桑田卓郎氏など、現代を代表する5 人の工芸作家による“しゅきやオリジナル”の酒器を販売します。
出品作家

■浅井康宏(あさい・やすひろ)|漆器(酒器)
浅井が制作する漆芸作品は、その美しい蒔絵のみならず、
独自の世界観が生み出す造形美が相まって、見る者を魅了します。
重要無形文化財「蒔絵」保持者である室瀬和美氏の元で、蒔絵の高い技術を学びました。
今回は8 ヶ月かけて制作された酒器で、浅井による漆芸制作に並行して根付作家、上原万征氏が浅井のデザインに基づいて脚部の金属部分を手がけました。

■桑田卓郎(くわた・たくろう)|陶磁器(クーラー、ぐい呑)
梅花皮(かいらぎ)や石はぜといった陶芸の技法に基づきながら、
ファッション、ダンス、自然の原理からもインスピレーションを得て、
生み出す独自の表現がアート、工芸といった垣根を越えて、高く国内外で評価されています。
クーラー、ぐい呑ともに新作で、多様性に富む現代の食卓に求められるであろう存在をお題として制作されました。昨年よりLOEWE が主催する工芸賞2018 年ファイナリスト。

■佐故龍平(さこ・りゅうへい)|金工(片口、お猪口)
杢目金は、江戸時代に秋田県で生まれた技法で、何層もの色金を加熱圧着し、
彫りや捻りなどを加え、木目状の模様に仕上げ、刀の鍔などの製作に用いられました。
今回は、「常温または冷酒を楽しむ酒器」をお題に佐故が初めて片口を手がけました。
昨年よりLOEWE が主催する工芸賞2018 年ファイナリスト。

■中川周士(なかがわ・しゅうじ)|木工(クーラー、菓子皿、箸)
檜、椹(さわら)といった木材を用い、桶や指物の高度な技術を用いて、
日常木工品から近年では家具も手がけます。また、ドンペリニョンの依頼で制作したシャンパンクーラーは、高く評価され、現在半年待ちの人気です。
今回は、古来日本酒が杉樽で醸造されていたことから着想を得た杉に竹をタガとして用いたオリジナルのクーラーを制作。LOEWE が主催する工芸賞2017 年ファイナリスト。

■新里明士(にいさと・あきお)|磁器(酒器)
「光器」と名付けた光を透す磁器で国内外から評価を受けている新里の作品は、
ロクロで成形した白磁の生地に穴を開けて、穴の部分に透明の釉薬をかけて焼成します。
グラフィカルな模様は独創的で、ひとつひとつ異なります。
まるで宇宙の風景画を眺めているように感じる美しい酒器シリーズをお題に制作された新作群です。

■「ミラノグラス」|磁器
2015 年ミラノ国際博覧会にて中田英寿プロデュースの日本酒バーをオープンした際に、
特別に制作された日本酒グラス。「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」の再現に成功し、
海外で個展を開くなど、陶芸の可能性を追求し続ける林恭助氏と中田英寿がプロデュースしました。
見た目のスタイリッシュさに加え、日本酒の香りを最大限に楽しめるよう形にこだわったオリジナルの
グラス型磁器です。

日時: 2018 年4 月20 日(金)~30 日(月・祝) 11 日間
各日12:00~21:00 L.O. 20:30
場所: 六本木ヒルズアリーナ(東京都港区六本木6 丁目10-1)
参加蔵数: 各日10 蔵 計110 蔵
レストラン数: 延べ15 店
料金: CRAFT SAKE スターターセット 3,500 円(酒器グラス+飲食用コイン11 枚)
料金: 追加コイン 1,500 円セット(飲食用コイン10 枚)、3,000 円セット(飲食用コイン22 枚)
※2 回目以降の来場の際は、酒器グラスを持参いただくと、追加コインの購入のみで、お楽しみいただけます。
尚、販売ブース以外でも会場内で販売員が AirPAY(クレジットカード、電子マネー、Apple Pay 含む)を
使用して追加コインを販売しています。
主催: JAPAN CRAFT SAKE COMPANY
協 賛: ネスレ日本株式会社、BMW JAPAN、デサントジャパン株式会社、HUBLOT
協 力: 薩摩川内市(薩摩川内市竹バイオマス産業都市協議会)、Tropical Disco、株式会社 IDO、Air PAY、
株式会社アルテクナ、株式会社ハーベス
後 援: J-WAVE 81.3F、タクシーアプリ「全国タクシー」
会場構成: dot architects
特別協力: 六本木ヒルズ
後援: J-WAVE 81.3FM
チケット販売: PassMarket にて事前販売中 https://passmarket.yahoo.co.jp/…/s…/detail/01hcy0zdig1m.html
ウェブサイト: http://craftsakeweek.com/rh/index.html
公式アプリ : Sakenomy http://www.sakenomy.net/

エネルギア美術賞受賞しました!

中国地方在住または出身の若手芸術家を顕彰する
エネルギア文化・スポーツ財団の「エネルギア美術賞」を受賞しました。
この賞は、作品単位ではなく活動全体を顕彰する賞で、
今までの漆芸に関わる活動全体を評価していただくことができたこと、とても嬉しく思います。

これまで地元鳥取での活動となると
年に一度グループ展に出品させていただくくらいでした。
なので、中国地方の賞をいただけるというのは、難しいと思っていました。
ただ、鳥取での活動として、継続して漆の植栽を行なってきたこと、
現在200本を超える植林ができたこと、
そして昨年から自作は全て鳥取で自ら植栽した漆を使用して制作を開始できたことが評価を得られたように思い、とても光栄に思いました。

僕にとっては、父親とともに育ててきた漆の道への奨励のようで
作品単位での賞とはまた違った喜びがありました。

今後は、やはり地元密着というよりは、
全国や世界にしっかり蒔絵の美しさを伝えてゆく活動が
地元にとっても恩返しになると思うので、それをしっかり加速させてゆきたいと思っております。

今日は授賞式で広島まで行ってきました。
帰りは鳥取に寄って父親とお祝いのお酒を飲もうと思います。

エネルギア文化財団 顕彰者ページ
http://www.gr.energia.co.jp/bunspo/award/cat2.html