漆の植栽から見えてきた夢を叶える法則3つ
もうすぐ僕にとって大きな夢の1つが叶います。
その夢とは、
自分で育てた漆で作品を作る事。
約10年前から取り組んでいた漆の木の植栽。
今年、漆液を採取できるだけの大きさとなりました。
国内の漆液の使用需要の中で、国産漆はたった2%です。
残りは中国産漆です。
日本を代表する工芸分野である漆芸が中国産漆に頼り切っているという、情けない現状。
なんでこんな事になってしまったかと言えば、主な原因は価格差にあります。
最近は中国産漆も値上がりしていますが、最大で日本産と中国産漆では8倍ほどの価格差がありました。
さらに、日本産と中国産で漆の質が全く違うという事が無いのが原因でしょう。
僕はこの現状がいやでたまらなかったのです。
学生時代「最高の作品を作る。それも最高の漆で」という夢を描きました。
卒業後すぐに、地元鳥取に数年かけて漆の木を約200本植えてゆきました。
その漆たちが育って、ついに今年漆の液を採取できるまでになったのです。
漆の植栽から生産までという長期にわたる夢の実現から、夢を現実化するための法則がぼんやり見えてきました。
これは全ての目標達成のための法則にもなると思えます。
法則その一
協力者を集める
夢を語って協力してくれる人を集める必要があります。
僕の場合一番の協力者は両親と親戚です。代々続く梨農家だったのですが、漆の植栽のために全ての梨の木を伐採しました。
植樹のさいは「西日本漆を守る会」の皆様にたくさんの協力をいただきました。
1人ではできない事をたくさんの協力をいただいてここまでたどり着けました。
法則その二
継続する
漆の植栽のように10年スパンの事業だととてもわかりやすいと思いますが、夢を現実化させようと思ったら、
継続がとても重要です。漆の木の管理は下草刈りなど継続的な管理が必要です。
定期的に草刈りをしなければ、葛の木全体を覆い尽くして枯らしてしまいます。また、害虫によって葉が食い尽くされてしまったら成長できません。
行政が漆の植栽を町おこしの一環としておこなった場合失敗してしまうのが、この継続が難しいからです。
決まった職員が十年単位で世話をするのことは難しく、予算取りも長期的には難しくなります。
だから、植える時のイベントをおこなって、その後枯らしてしまいます。継続できない事が多いんです。
法則その三
楽しむ
僕が幸運だったのは、直接世話をしてくれている両親が漆の生長をとても楽しんでくれている事です。
両親とも畑仕事が大好きなので、あまり帰れない僕のかわりに一手に漆の世話を引き受けてくれています。
いつも楽しそうに写真を送ってくれます。本当にありがたい。
以上が漆の植栽を通して学んだ何かを成功するための法則です。
この法則はたぶん、芸術分野や植栽以外にも当てはまることだとおもいます。
今年の10月は「西日本漆を守る会」が鳥取でおこなわれます。
ぜひ鳥取の漆を見に来て下さい。