美術のおすすめ本 千住博著 「美は時を超える」「絵を描く悦び」入手難易度★☆☆☆☆

漆のおすすめ本を紹介してきましたが、ここで少し僕が美術に関わる中で出会った漆以外の好きな本を紹介します。
千住先生の本は20代の時によく読みました。
精神的な部分でとても支えになったし、やる気が出た本がこの2冊です。


千住博先生と言えば、滝の絵が有名です。
絵と言うか、実際に絵の具を画面上に流して滝を描き出し
水しぶきをスプレーガンで吹き付けます。
滝という水が落下して起こる現象を画面上に再現していますので
その迫力はすごいです。
千住先生の滝の絵はグランドハイアット六本木にあります。
また、代表的な森の絵は羽田空港に常設されておりますので、機会があれば足を止めてみてほしい絵です。

さて、紹介します2冊の本は
千住博の美術の授業と副題がつけられています。
内容は、世界の名画やラスコー壁画の美術性について
千住先生が熱く語っています。

一件見逃してしまいそうな洋画を千住先生が独特な目線で
その魅力を紹介してくれます。
そういう解説の中からいかに自分の作品に、名画の要素を落とし込めるか
そんな作家目線がふんだんに盛り込まれているような気がして
20代の時、作り手の目線を養う参考にしました。

また、先生の生い立ちや
苦労した芸大受験、その後の学生生活等
熱く書かれています。
あらゆる事に挑戦する作家の姿にすごく憧れました。

作家のスタイルとして一番お手本にしたのが
超朝型制作をとっている事です。
千住先生の本を読んで、自分も朝からしっかり仕事する作家になりたいと思いました。
生活面では千住先生の影響が強いです。

作品集もすばらしいです。
おすすめはこの2冊
滝があまりにも有名ですが
それ以外も大好きな作品がたくさんあります。
「なんで僕が思い描いていた世界をここまで美しく描かれてしまうのだろうか」
といつも思います。
作品集のタイトルはズバリ
「千住博の滝以外」
ソフトカバーなのでとても見やすいです。

もう一冊は千住先生の代表的な仕事を網羅した
ハードカバーの図録
「水の音」
こちらも僕の好きな図録トップ10に入るほどよく見た図録です。
絶版のようですが、Amazonで手に入るようです。


 

千住先生とは1度お会いしてお話をする機会がありました。
そのときの衝撃のエピソードと、先生とかわした1つの約束に付いては
またいつか書こうと思います。