アイデアを生み出すコツ

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僕のような作家業ではなくても日常とか仕事にアイデアやヒラメキが必要な方は多いと思います。

松田権六という「漆の神様」みたいな人がいたのですが、
著作の中に「図案日誌」というのがあります。書名の通り毎日記されていた図案が出版されています。
普通の手帳に丁寧な図案が描き残されているという内容です。

中身はこんな感じ

20歳くらいの僕も
「自分も図案日誌を始めてみよう!」と思い立ってスタートしたのはいいのだけど、

「何にも思い浮かばねえ」

毎日寝る前に考えるのだけど、デザインが出てこないんです。


そこで、発想の根源とは何かと考えるようになりました。
まず本を何冊か読んでみました。オススメの二冊はこちらです。


ジェームス W.ヤングの「アイデアのつくり方」
この本はamazonで372の評価がついていて星4と高評価
とても読みやすくて、いくつかのアプローチでアイデアを生むヒントを得られます。


もう一冊は茂木健一郎著の「ひらめき脳」
紙の本は絶版になっているようですが、この本も脳科学者の視点からひらアイデアを生む仕組みを説明されているので役にたちました。

ほかにもアイデアに関する本を読んでいて共通の仕組みがあることに気がつきます。
それは「新しいアイデアとは、既存のアイデアの新しい組み合わせである」ということ。

つまりアイデアとは何にもないところから突然生まれるものではなく確かな地盤によって育まれるというのです。
考えてみるとここ10年で世界を変えたiPhoneも既存のアイデアの組み合わせによって出来上がっています。
音楽プレーヤーも電話もタッチパネルもすでに存在していたのですが、それを携帯端末として圧倒的な完成度まで仕上げたことにより
僕たちの生活が違うものになったと言えます。



さて、僕のアイデアの旅は「無から有を生む」から「既存アイデアの蓄積によって生み出す」へと変わり
そこから猛烈に展覧会へ足を運び図録を収集するようになりました。
そしてそれ以外の自分の得意な発想パターンを作ってきました。
自分が作ったデザインも既存のアイデアとしてストックされてゆくので、発想の幅は年々広がっているように感じます。

寝る前にデザインを考えるとき、上記の方法を使ってみます。

15年くらい図案日誌を続けてみて
一番大切だと思うのは

駄作を愛することです。

実は図案のうち90パーセントくらいは良くないのです。
諦めずに作品になることないデザインを描き続けることで
年に数回良いデザインが生まれます。

最初の頃の図案なんか恥ずかしいものばかりだけど、
続けていたら制度が上がってきました。


いつか今の図案も恥ずかしいと思えるくらい僕にしか見えない世界が駄作の中から生まれることを信じて今日もアイデアに向き合おうと思います。

図案日誌に関する過去記事はこちら

アイデアを書き留めるのは「白い本」が絶対オススメです。