作品と現代性

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は自作のコンセプトと現代性について書こうと思います。
僕は基本的に以下のことを意識しながら作品を制作しています。

○伝統技法を重んじる
○素材を愛する
○未来に向けて制作する
○現代的である
○浅井康宏らしさを常に探しながら走る

ここから外れなければ割となんでもしていいと思っていて
そこに現代性があると信じています。

さて、最初の「伝統技法を〜」「素材を〜」を守っていると
割と簡単に作品は古典的になってしまします。
伝統技法を大切にしながら現代的であるというのは割と矛盾しています。

そこにどのような折り合いをつけているか。
まず、現代性とは「自分がどのような解釈で現代を見つめているのか」というのが前提にあって
その現代の解釈は人それぞれなので、僕は僕なりの解釈を進めているわけです。



「現代とはシンプルな造形の中に多様な情報を詰め込むもの」というぼんやりした解釈があって
それを色々なイメージの中に織り込んでいます。
情報量は増え続けているけど、僕たちの行動はシンプルです。
シンプルなデバイスの中には膨大な情報があります。
そして、情報は短時間に取得できるように細かくパッケージ化されている。


作品を作るとき
全体の印象はできるだけシンプルな印象になるように組み立てています。
例えば「黒の中に金のストライプがある」のようにいくつかの印象で語れる。
だけど、その中には膨大な情報が詰まっている。

そこに現代性をみているし、
10m離れた時の構図
1m離れた時の構図
10cm離れた時の構図
のように視覚から得られる情報を構図の中に作っています。

作品群が100年後に見たら「現代」を表す手がかりになるのでは、と考えていて
箱型の作品にそういう思いを封じ込めているつもりです。