作品のネット販売の注意点

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日はネットでの作品販売について書こうと思います。

プロローグ
コロナウイルスの影響で多くの展覧会が中止になり
そして美術館もクローズ状態ですね。
先週NHK日曜美術館というTVの「アートシーン」という展覧会紹介コーナがついに無くなってしまって
「美術活動が停止しているんだな」というのを実感しました。


この状況で多くのギャラリーや作家によるインターネットでの作品紹介が増えてきました。
僕は作品のネット販売は良いことだと思っていて
今の状況が必ず訪れるネット×美術のフェーズを早めてくれたものだと思っています。


ただネットで作品を紹介する時いくつか注意しなければならないことがあります。
特に若い作家さんは注意してほしいこと
それは

上代を揃えること

それぞれのネットプラットフォームの手数料とギャラリーの手数料が違うと思います
ここで自分の手取りを中心に作品価格を設定してしまうと
同じボリューム作品でも手数料の高い場所での販売だと発表価格が上がってしまいます。


どんな販売方法でも良いのですが
上代つまり発表価格は合わせておく必要があります。

理由は
「ここで買うよりあっちで買ったほうが安い」状況を作ると
場所代、人件費のかかる実店舗での発表機会が減ってしまいます。
また、直接販売するにしても値引きはNGです。
自分の作品の市場価値が崩れるので気をつけなければなりません。

何度も言いますが作品価格はどこで買っても同じ状態にした方がいいです。


僕の場合
直接注文いただいた場合でもギャラリーを通して販売してもらい
上代は必ず一定になるようにしています。
場合によっては手取りが赤字になるようでも市場価値を守っています。

僕の考える市場価値とは
前回作品が購入された価格を市場価値と考えて
上代で購入いただけたら次作は少し上代をあげます。
売れなければ、キャリアをあげてその価格に見合う作家になるように努めるという流れを繰り返しています。
つまり次の作品は価格が上がるので今が一番安い状態を意識して制作を続けています。

ネットでの美術発表がいよいよ加速してゆきますが
作品価値とお客様を守る意識というのがより必要になってきます。
もちろんギャラリーや百貨店との関係を作ってゆく上でも
価格設定や付き合いにおいてもプロになる必要があります。

このような状況を紹介できる機会が増えたと好意的に捉えて
作家としてもう一歩踏み出すチャンスにしようと思っています。