最近ハマってるデスゾーン

デスゾーンとは、人間が生存できないほど酸素濃度が低い高所の領域を指す登山用語。 標高が8,000mでは、空気中の酸素濃度は地上の約3分の1となる。この領域をヒマラヤ山脈の8000メートル峰に挑戦する登山家がデスゾーンと呼んでいる[1]。 デスゾーンでは人体は高所順応せず、酸素が補充されるよりも早く酸素の蓄えを消費する[2]。 酸素ボンベなしでデスゾーンに長時間滞在すると身体機能の悪化や意識の低下が起こり、最終的には死に至る。 「デスゾーン」という言葉は、1952年にスイス人医師エドゥアール・ヴィース・デュナンによって、彼が書いた本の中で初めて用いられた

(引用元 Wikipedia)

ちょっと気になっていた映画「エベレスト」がAmazonプライムで無料視聴できるようになっていました。
早速視聴

この映画は実際にあったエベレストで起きた出来事を元に制作されているようで、僕としては意外性と衝撃のあった作品でした。
何が意外かというと、エベレスト登山はビジネスとして成り立っていて、
一種の観光地化されている現状を映し出しています。
僕の感覚では、エベレストと言う世界最高峰の山は、未だ人類の冒険領域であり、登山のトッププロが挑む最高峰だと思っていたのです。

しかし、映し出されているのは、さながら「ガイド付きツアー」といった状況です。
確かに、最近では芸能人が登頂したり、三浦雄一郎氏が80歳で登頂成功というニュースは記憶に新しいです。
しかし、よく考えてみると、8000メートル級の山を高齢者や芸能人が普通に登る事は不可能ではないでしょうか。
僕がいだいていた、数日間にわたり頂上へアタックするための大量の装備を背負い、
氷壁を細いザイルを命綱にして上ってゆく孤独な登頂となると、トッププロでも死と隣り合わせなはずです。

どうやら現在のエベレスト事情としては
各標高にベースキャンプをもうけて、高地順応しつつ条件が整うのを待って、
最終キャンプから日帰りで登頂を目指すようです。
当然装備は軽く、現地のシェルパの力を借りて不足分の装備を補います。

エベレストでは天候が安定するチャンスが少ないため
キャンプで機会をうかがっている、各ツアーが条件の良い日にあわせて一斉に登頂を目指します。
そのため、頂上付近では渋滞が起こっているようです。
当然、頂上アタックまでの比較的安全な道順は整備されていて(それでもかなり危険ですけどね)
ロープが張り巡らされています。周囲にはガイドやシェルパがいて経験を駆使してサポートしてくれるわけです。

現代エベレスト登頂の死亡率が下がったと言っても、やはり8000メートル級デスゾーンに挑むので
自力で行動できなくなれば、置き去りにせざるを得ず、それは死を意味しています。
置き去りにされる方も、する方も究極の選択をしなければなりません。

ある部分で地球上で最も高い場所へ立ってみたいという願望はあるけれど、
あまりにも死亡率が高すぎます。
エベレストという映画は、人間の活動など意に介さない標高8000メートルの日常を教えてくれました。


「運命をわけたザイル」
こちらの映画は、登山事故をドキュメンタリータッチで描いた映画です。
撮影技術が圧倒的で、はっきり言ってどうやって撮影したのかわからない。
CGなら安心なのですが、10年以上前の映画なので実写部分も多いのではないでしょうか。

プロでもやっぱり、山には勝てないという教訓が詰め込まれています。
しかし、トッププロの技術と知識がある事によって、生存率が飛躍的に向上する事を教えてくれる渾身の一作です。


「孤高の人」
このマンガも面白い。

新田次郎の山岳小説「孤高の人」を現代アレンジした作品です。
坂本眞一さんの画力が凄まじい、各ページが美術作品のようなマンガです。