落選

浅井康宏自己紹介はこちら
作品紹介はこちら


第66回日本伝統工芸展の出品作が落選してしまいました。
僕の落選歴はこちら

27歳くらいから毎年出品している展覧会で、
年に一度、最も力を入れた作品を出品します。
この展覧会は、NHKの「日曜美術館」という番組に特集される他、
全国を巡回する工芸の中ではメジャーな展覧会です。


さて、伝統工芸展での落選は2度目、30代になって初めて落選してしまったわけです。
みなさんが気になるのは
「どんな作品出したの?」というところでしょう。

今回出品して作品は、
モチーフが女性像でした。
仕事の内容、技術的な部分では、レベルとしては入選ラインだったと思うけど、
女性像を描くことに関しては、
確かな技術、先進性と現代性を重んじる伝統工芸においても
「落選の可能性はあるな」という思いで出品しました。

ただし、今回の落選の責任は全て僕にあります。
仮に、モチーフ云々の問題があったとしても、
完成した作品が、モナリザや真珠の耳飾りの少女といった
人類史上重要な作品レベルに達していれば、問題ないわけです。

人物を描くというのは、工芸の枠にあって、
さらに人物画への挑戦に突入するという意味もあります。
落選作品が帰ってきたら、冷静になって自作を見つめてみようと思います。
それでも「やはり、自分にとっても重要な作品で、発表する必要がある」
と判断したら、どこかに出品しようと思います。
 


最後に
僕がリスクがあっても、人物の蒔絵をしたいのは、
卒業制作に「人物の蒔絵をしたい」と担当教授に相談したところ
「人物を器物に描くことを理解しきれていない、私を論破できるようになってからしなさい」
と言われたことへの回答が、そろそろできるのではないかと考えたから。
それと、何より女性像が好きなんです。

論破できるだけの、技能と画力。
そして何より、工芸文化と絵画への試作が成功した時、
きっと名作が完成するはず。