オークション

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日はセカンダリー市場とオークションについて書こうと思います。

日本でも最近は美術オークション市場が活発になってきたように思えますが、
やっぱり敷居が高いイメージがあったり、「よくわからない」オークションの世界観を当事者として説明してゆこうかと思います。


一般的にオークションというと「ヤフオク」がまず思い浮かぶかもしれませんが、
美術オークションとは少し違うものです。

サザビーズ(1744年)とクリスティーズ(1766年)という二大オークションハウスはそれぞれ長い歴史を持ち
アート作品を中心にセカンダリー市場を牽引してきた存在と言えます。

※ちなみにセカンダリーとは二次市場のことです。例えば存命の作家の作品を画廊で買うのが一次市場のプライマリーに対して、
前の持ち主から次の持ち主にわたるオークションなどがセカンダリーです。


今回僕の作品が二作品クリスティーズに出品されました。
https://www.christies.com/lot/lot-asai-yasuhiro-b-1983-tenchi-heaven-and-6307118/?from=salesummary&intObjectID=6307118&lid=1&ldp_breadcrumb=back

https://www.christies.com/en/lot/lot-6307119

現役の若手作家のオークション出品というのはあまりイメージできなかったのですが、
最近では若手作家の新作出品という例がポツポツと生まれてきています。




市場が構築されていない若手作家のオークション出品には賛否あるかもしれません。
そこには、それなりのリスクがあって、オークションという形式上
価格と売れ行きがバレバレになるので
「ああ、あの人の市場価格はこれくらいか」とか「今回あの作家の作品は不落札だった」情報が公開されることになります。
つまり、なんとなくブラックボックスの中にあるイメージの美術品の価格や売れ行きが見られてしまうのです。


僕の場合、展覧会では価格を見られるようにしているので
価格が分かってもいいのですが、著しく価格が落ちてしまうと今後の活動が不安です。
それに何より今までコレクションしてくれたお客様に申し訳ないです。

内心

現代漆芸はセカンダリー市場で値を下げ続けています。
人間国宝でも死後作品価格は落ちてしまうことがほとんどで
僕が知る限りセカンダリーで価格を上昇させることができたのは
松田権六だけではないかと思います。

僕は以前から「セカンダリーで価格を上げることができる作家になる」ことを明確な目標にしてきました。
買った瞬間が一番価格が高い漆芸のイメージを吹き飛ばすためにも、絶対に成し遂げなければならないと思ってきました。
だけど、その機会が思ったより早くきてしまいました。

コロナ禍で海外渡航が難しい中
僕の作品は海を渡り、目標としていたステージにあります。
本当なら僕も現地で見守りたいですが、それは次の機会にとっておいて
今できることを考えて、16日の23時を待とうと思います。


今回の機会のきっかけや顛末はいずれ書こうと思います。
夢だったNYでの発表、2度目の個展。
今年は僕の活動を飛躍させるための大きなステップになりそうです。