クオリティを追求する日々

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2017年に初個展「光をめぐる」を開催しました。
ありがたいことに高評価を得ることができ、
個展での作品はほぼ手元から無くなり
それまで活動していた埼玉から京都へ活動拠点を移しました。

初個展の直前は土日に後輩に手伝ってもらうこともあったけど、
大作の多くは一人で作り上げた個展でした。

個展終了後に銀行口座にお金が入ってきて、
それは全て自分の会社に振り込んでもらい、
京都での工房制作の制作費に充てることにしました。

その時、僕には大きく2つの選択肢がありました。


1つは
○クオリティはそのままで、集団制作により今までより数をたくさん作る

もう1つは
○数を求めずクオリティをひたすら追求する。

僕は後者の○数を求めずクオリティをひたすら追求する。
を選び、2年が経ちました。
実際にクオリティ重視の制作に大きく舵を切ってみると、
予想をはるかに超える問題が起こってきました。

1、時間が膨大にかかる。
2、出費が想像以上に大きい。
3、外注できる仕事がほとんど無い。

この3つの問題は切実で、
今までの蓄積を生かす事が出来ない場面が多く発生します。
京都での制作も2年がすぎて、
多くの問題は解決されないまま、制作を行う日々が続いているけど、
来年あたりから、少しずつ僕がしたかった事が実現し始めます。

つまり、京都に来てからスタートした作品が、
三年という時間を得て少しずつ完成し始めることになります。

僕が向かおうと、差し向けた方向に迷いはなかったけど、
「自分と作品を新しい世界観の中に突入させる」という日々に
いつも、もがき、苦しんでいます。

でもそんな日々の中にからしか、
現代最高の漆芸表現へたどり着く事が出来ない。
少なくとも僕個人には、それが必要なのだと思います。

ありがたいことに、
少しずつ発表の機会が広がってきて、
向かう先に光が見えてきたように感じます。