ゴールはどこですか?

旅行へ行くときは必ず行き先を決めますよね。
まあ、ふらっとどこかへ行くというのもあると思うけど、
海外とか、しっかりプランを作って行動します。

でも、人生においてプランやゴールを決めている人って
案外少ないように思います。
人生には不確定要素が多すぎて、行き先を決めにくい部分もあるけど、
僕には行き先の無い人生の方がよっぽど恐ろしく見えます。
どんな職業だって、将来的にどうなりたいか考えて就くべきだし、
時代を考えながら生きていたら、今から目指さない方がいい職業はたくさんあります。
例えば、人工知能に入れ替わってゆく業種かどうかはしっかり見極める必要があります。

美術家に多い落とし穴は
一点の名作を作ろうとすること。
自分の仕事は作ることと決めてしまうこと。(作家=制作オンリー)
上記の二点は、多分間違いです。
成功した作家とか、学校の先生は「純粋であれ」と文書や講義で言うかもしれないけど、
それは本質を隠しています。
すごく綺麗事を言いたくなるのもわかるけど、本当はその先のゴールを見つめていないと勝てないようになっています。

僕が考える美術家(アーティスト)とは、ズバリ表現者です。(そのまま笑)
で、表現の領域は作品だけじゃなくて、考え方とか、生き方もしっかり表現されています。
美術史上、成功しているアーティストを思い浮かべてください。
よく考えると、しっかり顔まで思い浮かびませんか。
それは作品以上に存在感も同時に露出されているからだと思うのです。
周りの人が押し上げていると言う考え方もできますが、
ピカソとか、ダリって明らかにメディアを意識して生きていただろうし、
美術史はしっかり世の中との接点を正しく作れた人々の体系です。
それに変じゃないですか、何故そこまで執拗に自画像を描いたのでしょう。自意識強すぎる巨人の群れのような美術史が見えてきませんか?

時代によって考え方は変わってきます
メディアに出まくってる、芸能人化しているアーティストとかあまり好きじゃ無いけど
「表現領域を作品という枠に収めてしまわない」というのは、美術史の不変のルールでしょう。

作品がとにかくすごくて、後世の人々に詮索されるようなアーティストもいますが、
僕はそこまでの才能はないし、100%努力派でしかないので、おとなしく淡々と目指すゴールへ向かって毎日仕事部屋に入ります。

ゴールにたどり着くことができるかどうかはわかりませんが、
ゴールを設定していないと絶対にたどり着けないのもゴールですからね。
人生をかけて、背伸びして届くかどうかわからない目標の一つを決めちゃうのって、面白そうでしょ。