作品の事 蒔絵飾箱 「青い光」

第33回日本伝統漆芸展の入選通知が来ましたので
入選作の画像をアップしようと思います。

今回はオオルリアゲハをモチーフに制作しました。
モルフォ系の蝶や、このオオルリアゲハのような
青い蝶が好きで、いつか制作したいと思っていましたが
その存在感が圧倒的で
既に完結された美しさをもっている物を
どうやって作品にすれば良いのかずいぶん悩みました。

参考の標本自体は7〜8年前に準備していましたが
どうしても作品に昇華する事ができないでいたのです。

今回の作品はギリギリまで粘って
図案を決定してゆきましたが
モチーフが決まらず
椿 → 街 → オオルリアゲハ
と候補がどんどん変化しました。
器物の造形の時点で構図が決まっている事が
多い僕の制作にしては、ずいぶんと迷いに迷いました

突破口に至るための解釈は
身を委ねるという事でした。
自分の意志で素材やモチーフを
押さえ込む事はせず
既に美しいモチーフを美しい素材で作ろうと思ったのです。

完成した作品が浅井の作品らしくなってくれるかはわかりませんでしたが、
それでもとてもかわいい作品ができたと思います。

僕の夢見ていた世界にかなり近い世界観です。