地域密着型のもろさ

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は「地域密着型の弱点」について書こうとおもいます。
この記事を書こうと思ったのは、
コロナの影響を受けたビジネスと受けにくいビジネスがあってその違いは何なのかを考えたからです。

おそらく今回の件で一番ダメージを受けたのは
飲食業界やホテルなどサービスを提供する「場」のある商売ではないでしょうか。
さらにインバウンドや地元周辺といった顧客の層を限定している場合
何かのきっかけで動線が断たれると、たちまちピンチに陥る形になりました。

ビジネスは水物なので、流れが滞りなく豊富な水量がある場所が正解なんだとおもいますが
何らかの影響で水の流れが変わったり、なくなってしまうとたちまち危機的状況におちいります。


この流れは僕のような美術作家も意識しなければならないところで
発表の場はいつもあるものでは無いという現実を突きつけられたようにおもいます。
とにかく4月から5月の展示は全てなくなってしまいました。
(僕の場合公募展が二つ中止)

このような事態は前例がないのですが
今後は何らかの対策を考えて活動する必要が出てきそうです。


最初に書いた通り
「場」と「流れ」がポイントなので
活動範囲を地域密着型にしてしまうと対応できなくなってしまいそうです。



では、美術の活動においての
地域密着とはどのようなことでしょうか。

それは活動の場が
○一つのギャラリー
○一つの公募展
○一人のお客様
○年齢、性別の偏った客層

以上のようなことかとおもいます。
地方にいると思うことが多いのですが、
「その地域では有名だけど全国では知られていない」ことはよくあります。
それは悪いことではないし、地域で認められる活動というのに憧れもあります。
ただ、そこに甘んじてはいけないことが今回のコロナの件ではっきりしました。


美術だけではなく、複数の「場」と「流れ」を作ることを意識することが
結局は長期的に活動を続けるポイントのようです。
ネット時代になって、より「地域」という感覚はおろか
「国籍」という意味も薄くなってゆきます。

仮に「地域密着」を狙うなら「日本」という大きな単位の地域で考える必要がありそうです。