漆が好きな人の特徴

展覧会場で会場当番をしていますと
いろいろなお客様と話す機会があります。

皆さん本当に漆の事が好きで
じっくりと作品を見てくれます。
作品のふたを開けて中を見ていただきたい作品は
ふたを開けてご紹介したり
特徴的な木地の製法や
材料や道具の話をさせていただきます。

何度もお客様と話していると
皆さんに共通したものがありました。

その1つが
夫婦仲・家族仲がとても良い事です。
美術全般に言える事ですが
ご夫婦一緒に展覧会場にいらっしゃる方が多いです。

そして、そういう方々は皆さん家庭が円満です。
僕はそういうお客様と話していると
かなり幸せになれます。
本気で漆をやってきてよかったと思います。

美術や漆って、生活絶対必要なものではありません。
無くても良いものです。
それでも、そこに感動してくれたり、生活に取り入れてくれる人って
心が満たされている人です。

漆って、誰かを想う道具になるのかもしれません。
家族に残すための家紋
旦那さんの仏前に供えるための道具
単身赴任の旦那様へのプレゼント
そんな想いをもって、使っていただけるストーリーのひとつひとつが
とても感動的です。

僕も幸せな気持ちで作ってゆければ良いのですが
製作中は修羅場です。
締め切りに追われて、食うや食わず寝る間も惜しんで
作って、でも、作ってよかったなと思うのです。
(製作中もけっこう楽しんでますけどね!)

漆って本当にすばらしいです。