物事がうまくいったときにやっていたこと

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は何かをやろうとして、結果がよかった時と、悪かった時でどのような行動の違いがあったのか考えてみます。
全てに当てはまるわけではないけど、なんとなく「あの時はあの順番で行ったのが良かったんじゃないか」というのを書いてゆきます。

まず、行動するときの順番
1,調べる
2,考える
3,実行する

この三つのバランスが大切な気がします。
周りで、
「調べてばかりの人」「考えてばかりの人」「考えずに行動する人」いませんか?
それぞれ
調べてばかり、考えてばかりの人には「行動に移せば良いのに」と思うし
考えずに行動する人には「もうちょっと考えてから行動に移せば良いのに」と思ってしまいますが、
自分だってそれができている時とそうでない時があります。

僕の場合、ひとつの作品を制作するのに時間がかかるので自ずと
「準備して挑まねば、年間制作数が悲惨なことになる」というのを理解し
新しい作品を作るときには、あらかじめ書籍から技法を調べたり、そこから応用できる部分を抜き出して、制作をしてゆきます。

制作の中にも上記のプロセスがあり先人もその合理的な方法を教えてくれています。
近代漆芸の巨人、松田権六は三つの学び方について語っています。

「人から学ぶ」「ものから学ぶ」「自然から学ぶ」
これは最初は人から教えてもらい、見方がわかってきたら制作されたものから学ぶ、さらにその根源にある自然から学ぶことができれば制作の幅が広がるというもの。
これは1の「調べる」に近くて、とにかくたくさんのソースから調べることが偏りのない学びにつながると思っています。
例えば、ネットだけ、本だけ、テレビだけ、人づてだけだと情報が偏りがちなので、あらゆるソースを使う。

2でその情報をもとに自分で考えてゆきます。
制作に落とし込むとしたら、伝統技法はマスターしたので、
「螺鈿と蒔絵を組み合わせてみよう」とか「厚貝螺鈿の上に蒔絵してテンポをつけよう」など
このような思考のレベルを上げてゆきます。

3の実行で
調べて考えた技法を駆使してやってみます。
内容が複雑になる程、失敗も増えてきますが、
失敗しても作品は動き出すし、一見失敗に見える表現も表現を変えれば輝くこともあります。
何より、この世の中になかったものが一つ生まれるのです。


僕は漆歴がそこそこ長くなってきているので、
誰かの作品を見たとき「どのような思考で作ったか」というのが少しはわかるつもりです。
そのとき「調べてないな」「考えられてないな」というのはわかるので、未成熟に見えるものもあります。
もちろんそういう原石のような美しさもあるにはあるけど、それで何十年も走り続けることは難しいので
作品に向かう思想や姿勢がどこかで助けになるように思います。


今回は漆にあてはめて書きましたが、
人生においても何か物事を進める場合、このルールのもと実行することが
自分をより遠くに連れて行ってくれる鍵なのでは無いかと感じてます。