締め切り万歳!!

「あー締め切り楽しー」ウソです。。
現在、東日本伝統工芸展出品締め切り一週間前となりました。
昨年から仕事を始めていた、箱の蒔絵も佳境となってきて、生活が漆中心のスタイルになってゆきます。
いつも漆中心なのですが、よりタイトなスケジュールになってきます。

詳しく説明すると、仕上に近づくと長時間行う作業が減ってきて、手数を多くする仕事が増えてきます。
摺り重ねというのですが、艶上げの前段階で乾きのいい漆を何度も器物に擦り込み、拭き上げる作業を続けます。
イメージとしては、車のワックスがけといったところでしょうか。
この作業の難易度はそれほど高くないのですが、回数が必要となるので締め切りまでできるだけ回を重ねます。
なので、漆が乾く時間を計算して生活してゆきます。
場合によっては深夜に起きて仕事したり、早朝起きだして仕事したりします。
今回の場合、少しは余裕がありそうなので、生活リズムを崩さずに摺り重ねができそうです。

ところで、この年間何度もある締め切り。
凄まじいプレッシャーです。
この締め切りのおかげで、何度も苦しい思いをしてきました。
失敗が許されない状況が続くので、一工程ずつの正確さが要求されます。工程数が多く乾燥時間が長いので、完成間際に失敗すると大ピンチです。
蒔絵の仕事で年間3点大作を作るのはかなり厳しいです。
時間的に4ヶ月ごとに一点作っている計算になりますが、木地制作や下地を考えるとどう考えても無理なところを木地のストックを増やすことでクリアしてゆきます。
ある程度のキャリアとストックがないと苦戦します。

でもこの締め切りに僕は100%感謝してます。
この締め切りのおかげで、ずぼらな僕が少なくとも大作を年間3作ずつ作って来れたのも確かなので。
これがなかったら、きっと制作数は減っていたでしょう。
これからは木地のストックも増えてゆくでしょうし、厳しいながらも積極的な作品を作ることができるでしょう。

さあさあ、締め切りまで一週間。