美術業界の仕組み 2種類のギャラリー 前編

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銀座に行くとたくさんのギャラリーがあります。
表通りに面したギャラリーから、ビルの一室まで、ギャラリーと言えば銀座という感じです。
最近では力のあるギャラリーが分散してきているように感じますので、徐々に銀座=ギャラリーでは無くなってくるように思います。

さて、この数あるギャラリー「どうやって運営してるの?」と思いませんか?
実はギャラリーの運営形態には2種類あります。

1つが
貸しギャラリー・レンタルギャラリー
もう1つが
企画画廊です。

名前の通り、貸しギャラリーは一週間いくらという具合にスペースを貸します。
いっぽう、企画画廊というのは、ギャラリーのオーナーによる企画展が開かれているギャラリーとなります。
たぶん銀座には膨大な数のギャラリーがあると思いますが、ほとんどが貸しギャラリーです。
9割くらい貸しギャラリーなのではないかと思います。

運営のシステムとしては、貸しギャラリーはレンタル料金によって成り立っています。
企画画廊は、企画した展覧会の売り上げにより運営しています。


僕は基本的に企画画廊とだけつきあうようにしています。(ちなみに百貨店の画廊も企画画廊です)
理由は、お互いの利害が一致しているからです。
企画画廊とは、より良い作品を最高のお客様に紹介する事を信念としております。
最高の作品を作る人=作家
最高の作品を紹介する人=ギャラリー
最高の作品を購入する人=お客様
この関係性が成り立っているのが企画画廊です。


僕は極端な話、貸し画廊は必要ないと思っています。
お金を払って美術の発表機会を得るのはもうやめようよ。と思います。
貸し画廊がゼロになる必要はありませんが、それにしても数が多すぎです。
美術が好きな人が多いという事は良いのですが、
美術=見るだけのもの
という風潮の原因の一部が貸し画廊にあると思います。
美術は見るための物ですが、所有すると言う大きな喜びがすっぽりと抜け落ちているように思います。
とくに日本においては、ヒットする企画展はたくさんの観客を動員するのに
コレクターはすごく少ないように思います。

僕は思うのですが、美術の最大の喜びは所有する事にあると思います。

ちょっと話がずれてしまいました。
元に戻すと、貸しギャラリーの場合、オーナーは貸す事によって利益を得ているので
作家の作品を売る必要はありません。お客さんに来てもらう必要もありません。
なので、貸しギャラリーの場合来てくれるお客さんは、ほぼ作家の知り合いです。
アートシーンに与える影響も少ないです。

レベルが低くてもお金を払えば銀座で個展ができてしまうというのはおかしいでしょう。
では、どうやって企画画廊で個展できるようになるのさ?という疑問が生まれますが
それは明日、僕なりの考えを書こうと思います。

ちなみに僕は個展をまだした事がありません。なので「説得力無いよ!」と思われるようでしたら
次回の記事はとばしてもらえればとおもいます。

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