都会で制作する理由


僕は鳥取県出身です
鳥取は全国でも最も人口が少ない県です。

僕が都会で制作をしようと思ったきっかけは
修業のためでした。
しかし、その後も制作の拠点を関東に定めている理由は
以下三つです。


1、チャンスが多い

もし実家で作品制作を続けていたら
チャンスの順番が段階的になってゆくと思いました。
例えば個展を開催するのでも、

鳥取のギャラリー → 鳥取の百貨店
→東京のギャラリー →東京の百貨店

このような流れになってゆくと思います。
場所に対しての好き嫌いがある訳ではないのですが
生涯で制作する事のできる点数が限られておりますので
できるだけ早く活動範囲を広げたい思いがありました。


2、学びが多い

人と物と情報が多いので刺激がたくさんあります。
銀座にはたくさんのギャラリーがありますし
美術館や百貨店の画廊では常に新しい展示があります。
ブランドの装飾などもとても参考になります。
ちょっとした好奇心で情報をつかむ事が簡単です。


3、常にフットワークが軽い

話題のお店ができたり
面白そうな講演があったら
すぐに行く事ができます。
得られる物があっても無くても
とにかくフットワーク軽く見聞きできます。


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反面デメリットもあります。


1、物価が高い

家賃をはじめ生活費は総じてたかくなります。
実家生活だと考えなくていい事を気にする必要があります。


2、産地ではない

もともと漆芸の産地出身ではないので
不便を感じた事は無いですが
材料入手は全て郵送やインターネット注文になります。
木地師さんや材料屋さんと直接顔を見てはなせないので
思った物を作るのに時間と手間がかかる場合があります。


3、情報を選ぶのが意外と大変

情報が多い事はプラスにもマイナスにもなります。
たくさんある情報をいかに選んで自分の中で消化できるか
情報や機会が多いなりの心配が増えます。


僕は目標にしている場所に長い時間いれば
目標がかなうのが近くなると信じています。
だから、今は関東で踏ん張って制作を続けたいと思います。

長男なのでいつかは鳥取に帰って
漆文化を発信したいと思いますが
たくさんの人に鳥取や漆の事を知ってもらえるような
影響力のある作家になりたいです。

そのためにも、関東で努力の日々を続けようと思います。

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