カテゴリー別アーカイブ: 漆に生きる日々 京都編

漆芸活動のコロナ被害

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日はコロナの活動への影響を書こうとおもいます。


2020年5月21日に関西圏の緊急事態宣言は解除されました。
ゴールデンウィーク明け解除予定が延長され5月中は自粛が続くかと思っていましたが
早めの解除となり少し町の緊張感も緩んできたようにおもいます。

さて、今回のコロナの件で僕の活動への心配の声を多数いただきました。
影響があったのは大きく四つです。

○工房を休みにする
○教室休校
○入金ストップ
○事務仕事

一つずつ解説してゆこうとおもいます。

○工房を休みにする
東京と大阪、兵庫に緊急事態宣言が出た段階で工房を休みにしました。
理由は毎週大阪から通っているスタッフと電車通勤のスタッフがいるため
移動中の感染リスクを減らすためでした。

○教室休校
緊急事態宣言が出て、工房と同時に教室も休校にしました。
県外から通ってくれる生徒さんも多くて、継続が難しいとおもい判断しました。

○入金ストップ
コロナが全世界的に猛威をふるっており海外に送る予定だった作品が納品後
発送できなくなってしまいました。
したがって3月からの入金がなくなりました。
ただ、その少し前にまとまったお金が入っていたので工房運営は滞ることなくやり過ごせそうです。

○事務仕事
実はこれが一番しんどかったことでした。
制作は一人で続けていたのですが、一人になると事務仕事も多くなり
コロナの保証や情報収集などで忙殺されていました。もうしばらく続くと思うけど
税理士さんをはじめ多くの人に助けてもらいながら切り抜けようとおもいます。




一方で今回の件でよかったこともありました。
一人で仕事をする時間が増えて制作に向かう初心が取り戻せたような気がしました。
改めて「俺はこの仕事が好きだな」とおもいながら仕事部屋に入る毎日に
懐かしい充実感を感じました。

緊急事態宣言が解除されたことにより
大阪出身のスタッフはテレワークにして京都のスタッフは来週から通常通りの制作現場となります。
来月からは教室も再開しようと思っています。

いろいろなことがあるけど、それでも作り続ける日々に変わりは無く
一歩ずつ進む先に夢見る世界があるはずです。
コロナウィルスは季節性の特徴があるのか、アジア人には耐性があったのか、判明するまでには時間がかかるだろうけど
日常とは何かのきっかけで崩れてしまうものだと知りました。

地域密着型のもろさ

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は「地域密着型の弱点」について書こうとおもいます。
この記事を書こうと思ったのは、
コロナの影響を受けたビジネスと受けにくいビジネスがあってその違いは何なのかを考えたからです。

おそらく今回の件で一番ダメージを受けたのは
飲食業界やホテルなどサービスを提供する「場」のある商売ではないでしょうか。
さらにインバウンドや地元周辺といった顧客の層を限定している場合
何かのきっかけで動線が断たれると、たちまちピンチに陥る形になりました。

ビジネスは水物なので、流れが滞りなく豊富な水量がある場所が正解なんだとおもいますが
何らかの影響で水の流れが変わったり、なくなってしまうとたちまち危機的状況におちいります。


この流れは僕のような美術作家も意識しなければならないところで
発表の場はいつもあるものでは無いという現実を突きつけられたようにおもいます。
とにかく4月から5月の展示は全てなくなってしまいました。
(僕の場合公募展が二つ中止)

このような事態は前例がないのですが
今後は何らかの対策を考えて活動する必要が出てきそうです。


最初に書いた通り
「場」と「流れ」がポイントなので
活動範囲を地域密着型にしてしまうと対応できなくなってしまいそうです。



では、美術の活動においての
地域密着とはどのようなことでしょうか。

それは活動の場が
○一つのギャラリー
○一つの公募展
○一人のお客様
○年齢、性別の偏った客層

以上のようなことかとおもいます。
地方にいると思うことが多いのですが、
「その地域では有名だけど全国では知られていない」ことはよくあります。
それは悪いことではないし、地域で認められる活動というのに憧れもあります。
ただ、そこに甘んじてはいけないことが今回のコロナの件ではっきりしました。


美術だけではなく、複数の「場」と「流れ」を作ることを意識することが
結局は長期的に活動を続けるポイントのようです。
ネット時代になって、より「地域」という感覚はおろか
「国籍」という意味も薄くなってゆきます。

仮に「地域密着」を狙うなら「日本」という大きな単位の地域で考える必要がありそうです。

【浅井康宏】漆芸制作室スタートしました!

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
先日から申請していたCAMPFIREコミュニティ「【浅井康宏】漆芸制作室」が認証され、晴れてリリースされました。
内容についてはページをご覧いただければとおもいます。

多くの方に共感いただき、とても励みになりました。
今後制作工程を紹介したり、書籍をお届けできればとおもいます。
今月は書籍をお送りしたいのでブックサポートの登録していただけると嬉しいです。

引き続きよろしくお願いします。
サポート、いいね、リツイートなど
お気持ち本当にありがとうございます!

作品のネット販売の注意点

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日はネットでの作品販売について書こうと思います。

プロローグ
コロナウイルスの影響で多くの展覧会が中止になり
そして美術館もクローズ状態ですね。
先週NHK日曜美術館というTVの「アートシーン」という展覧会紹介コーナがついに無くなってしまって
「美術活動が停止しているんだな」というのを実感しました。


この状況で多くのギャラリーや作家によるインターネットでの作品紹介が増えてきました。
僕は作品のネット販売は良いことだと思っていて
今の状況が必ず訪れるネット×美術のフェーズを早めてくれたものだと思っています。


ただネットで作品を紹介する時いくつか注意しなければならないことがあります。
特に若い作家さんは注意してほしいこと
それは

上代を揃えること

それぞれのネットプラットフォームの手数料とギャラリーの手数料が違うと思います
ここで自分の手取りを中心に作品価格を設定してしまうと
同じボリューム作品でも手数料の高い場所での販売だと発表価格が上がってしまいます。


どんな販売方法でも良いのですが
上代つまり発表価格は合わせておく必要があります。

理由は
「ここで買うよりあっちで買ったほうが安い」状況を作ると
場所代、人件費のかかる実店舗での発表機会が減ってしまいます。
また、直接販売するにしても値引きはNGです。
自分の作品の市場価値が崩れるので気をつけなければなりません。

何度も言いますが作品価格はどこで買っても同じ状態にした方がいいです。


僕の場合
直接注文いただいた場合でもギャラリーを通して販売してもらい
上代は必ず一定になるようにしています。
場合によっては手取りが赤字になるようでも市場価値を守っています。

僕の考える市場価値とは
前回作品が購入された価格を市場価値と考えて
上代で購入いただけたら次作は少し上代をあげます。
売れなければ、キャリアをあげてその価格に見合う作家になるように努めるという流れを繰り返しています。
つまり次の作品は価格が上がるので今が一番安い状態を意識して制作を続けています。

ネットでの美術発表がいよいよ加速してゆきますが
作品価値とお客様を守る意識というのがより必要になってきます。
もちろんギャラリーや百貨店との関係を作ってゆく上でも
価格設定や付き合いにおいてもプロになる必要があります。

このような状況を紹介できる機会が増えたと好意的に捉えて
作家としてもう一歩踏み出すチャンスにしようと思っています。

感情をデザインする

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は漆芸のデザインで心がけていることを書きます。
先日のYouTubeLiveで質問に答えましたが、少し補足してゆこうと思います。

Youtubeではデザインを生み出す方法について
前提として
「アイデアとは既存のアイデアの新しい組み合わせ」であるという前提のもと。

○インプットを増やす
○アウトプットを増やす
○駄作を愛する

という三つのプロセスを紹介しました。

12:40あたりからデザインについて話していますので興味のある人はご覧ください。

もう一歩踏み込んだデザイン

最初の頃は、表面的な美しさこそがデザインの本質と思っていました。
いや、それ以上のものの発想が難しかったし、そんなことがあることにも気づいていませんでした。
だけど何年も図案を考えているうちに
その先にあるものにうっすら気が付き始めました。
それが「感情のデザイン」です。
この問いは「綺麗なものはたくさんあるけど、それと売れているものと売れていないのは別だよな」
ということから発して、その秘密に近づくために考えてゆきました。

「売れるもの」と「売れないもの」の間には
「感情」があって、その感情をデザインできていないと売れません。

つまり人は用途を買っているわけではなくその先にある
自分自身の心の動きに反応しているのです。
考えてみてください。
僕たちは用途以上のものの価値観に動かされて身の回りの物を買い揃えていませんか?
例えば、食器を買うとき
食事をとるための容器だったら紙皿でいいんだけど
料亭で気の利いた器に季節の食材がのせられているとテンションが上がります。

このように本質的な価値以上に僕たちは感情で動いています。



実際に感情をデザインに落とし込むにはどうすればいいのか

方法論を乱暴に書いてしまうと
人間は本能的に反応せざるを得ない視覚効果がいくつかあります。
例えば

○僕たちは本能的に生まれたての生物に弱い
○僕たちは本能的に輝くものに惹かれる
○僕たちは本能的に性のシンボルに反応してしまう

乱暴に誰かの感情を動かそうとするなら
画面に性器を描けば、一定時間誰かの目をクギつけにすることができます。

これに美的な体験を紐づけることができれば
良い悪いは別として感情をデザインしたと言えます。

このように視覚から共有したい感情を考えることによって僕の作品は構成されていたりします。
そして僕の作品のメッセージの根幹には「信念の具現化」というものがあって
それを形にして共有したいと思っています。
表現方法・形態を変えても「浅井作品ぽさ」が共通してあるのは
この「感情のデザイン」があるからだと思います。

ブランディングしない

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日はブランディングについて思うことを書こうと思います。

プロローグ
本屋に行くと「ブランディング」に関する本がたくさん売っています。
それほどブランディングに興味がある人は多いということです。

そもそもブランディングとはどのような意味なのでしょうか。
ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。

(wikipediaより引用)

何冊も本が出ていて研究が進められている分野だから
まとめにくいけど、価値を広め顧客価値を最大化させる方法という解釈で理解しています。


実は僕、ブランディングというのがあまりいいことだと思っていません。
特に工芸においてのブランディングがどうも苦手なのです。
「伝統工芸もブランディングして認知を広めよう」というのはよく聞くのだけど
「ストーリーと表面を繕って売れやすくしよう」という言葉を知的に耳障りよくしているだけに思えるからです。


ブランディングの最終目的は
「そのブランドの価値が認知され信頼を得られた状態を作る」ことだと思うんだけど、
おそらくブランディングの本は
「10年間製品クオリティを上げ続けて信頼を築き上げよう」ということよりは
メールを使って認知を上げることや、社会貢献によりブランドイメージを定着させよう
といった表面的な方法論が中心なのではないでしょうか。




そもそも最も優れた製品にはブランディングは必要ないのか?

ブランディングの本質とは
方法論ではなく、外に向かう表面的なメッセージではなく
最高品質に向かう内側への向上心ではないでしょうか。

伝統的なブランドに
品質はそこそこで表面的な戦略で勝ち残った例はあるでしょうか。
大量生産の方向性に走ってコマーシャル的な活動に重点を置く場合はあるかもしれないけど、
最初のコンセプトには精神性が宿っているはずです。

そこにはストーリーがあって
品質が持つ信頼性が新たな顧客との関係を育んできたはずです。

つまり、ブランディングとは
信念と時間をかけたクリエイティブがなせることのように思います。


最近ネットとかSNSの発信が誰にでもできるので
しばらくは発信力がある人が知名度を上げる流れがより顕著になると思います
だけど一周回って発信力が織りこまれた実力社会が訪れるように思います。

表面的なブランディングではない
精神性の宿った圧倒的な作品を作ること
表現者として自分の言葉を発し続けること
それが結果的にブランドみたいなものになると思っています。

SNS発信は裸に近づくことなのかもしれない

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日はSNSの発信について思ってることを書きます。

SNSが定着して随分と僕たちの生活は変わりました。
このメディアは
情報発信ツール
情報収集ツール
検索ツールなど

今までテレビや紙媒体、手紙みたいな機能を一手に担ってくれて
おまけに個人的なラジオ局やテレビ局になってきました。

本当に、個人がメディア化している時代で、
そこからはたくさんのビジネスが生まれています。
ユーチューバーとかSNS発のインフルエンサーというのは
スマホ以前にはなかった職業なので、世の中は加速し続けていると感じます。


どんな職業の人でも楽しい範囲でSNSは活用したほうがいいと思っていますが、
情報発信をするとき必要になってきたのは
「いかにハダカに近づけるか」ということなのかと思います。
本当に裸になるというのではなくて
生身の自分であり続けることができるかということです。

インターネットとは匿名の場というイメージがあるかもしれませんが
ネットリテラシーが上がるほど、情報の出所が重要になってきます。


僕は表現者として発信する必要があると思っていて
作ることと同様に発言もしています。

そのときに生身の自分であり続けるかというのが難しいけど、重要なのだと思います。
「そうは言っても、これは言ってはいけないでしょう」というのをなくして
考えていることをどんどん発言した方がいいのかなと。



企業のアカウントや組織のアカウントが面白くないのは
内部で気を使いあって発言に人間味が現れないからです。
「こんなこと言ったら誰かに嫌われるかもしれない」
「炎上するかもしれない」と怖がっていたら
本当に言いたいことがだんだんと言えなくなります。

お金のことや
業界のこと、多面的な活動など
誰かに「下品な作家」と思われるかもしれないけど、

日々考えていることを発言し続けることが
現代を生きる僕のリアルなのです。
その全てが浅井康宏だし
SNSで美術への愛情を叫び続けることが僕にとっての正義なのです。

コロナ自粛を自己投資につなげてみようと思ったのでシェア

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
最近は工房も教室も「自粛、自粛」なので一人で仕事してます。
それが初心に帰る感じで新鮮な日々を過ごしています。


さて、多くの人がテレワークとか自宅待機って感じで
家での時間が増えてきたと思います。
この時間の使い方に戸惑っている人も多いのではないでしょうか。
僕の実感としては
「自由」を与えられた時ほど迷いが生まれると思うんですよね。


そこで、時間とお金がある人は英語の勉強したらいいんじゃないかと思います。
最近時間を作ってインスタライブ配信している時があります。
ツイッター以外のSNSは外国人のフォロワーが多いから英語を喋ることがあります。
実はすごく初歩的な英語での会話だけど
数十人が視聴している配信で英語を喋るのは少しプレッシャーを感じるんですね。
だけどそれができるのは去年語学留学していたおかげだと思っています。


フィリピン留学に関する過去記事はこちら
フィリピン留学のメリットは個別授業です。
一日6時間くらいマンツーマンで英語を話していたら
聞き取る力が上がるし「間違っても話す」マインドが身につきます。
結果的に会話力がそこそこでも人間的に繋がれればOKなことは多いことに気がつきます。
(もちろん英語力は高ければ高い方がいいですよ)

さて、今日の本題ですが、
コロナウイルスのために世界中が困難な状況を強いられています。
僕にとっても大打撃です。


F2Fクラウドファンディング↓
https://camp-fire.jp/projects/view/257785


そして当然、語学学校も大打撃を受けています。
昨年お世話になったフィリピンの語学学校は、
タガイタイという夢のような高級別荘地にあったんだけど、
観光地としてのメインスポット「タールボルケーノ」を望む美しい湖の中心にある火山が突如として爆発して
一面火山灰に包まれました。

さらにコロナウイルスにより早い段階で「ロックダウン」都市封鎖を行って
観光地としても留学先としても人の行き来が完全にストップしてしまいました。


今回の事態を受けて
僕が通っていたF2F(フェイストゥーフェイスイングリッシュスクール)はクラウドファンディングを始めました。
このクラウドファンディングは学校を助ける意味もありますが
参加することで自分の成長に繋がるきっかけになると思います。

僕のブログをずっと読んでくれている人は
僕の性格「プロ意識のない人を徹底的に嫌う」性質に気づいていると思うんだけど、
ここの学校は終始絶賛しているんです。
というのも先生たちのレベルが高くて本当に英語教育を愛している人が多い。
なので、クラウドファンディングに協力して
オンライン授業を体験して欲しいんです
合う合わないあるので少ない授業数から始めて
楽しかったら「コロナが落ち着いたら留学してみよう」と
今の暗い状況の中に楽しい未来を思い描くのもいいのではないでしょうか。


とにかく今の状況は僕たちの気持ちや生き方に関する問いだと思います。
この時間を「新しい自分に使う」というのもありかと思います。
F2Fのクラウドファンディングは下をクリックしてください。
とりあえず僕も「日常が戻ったら留学に行きます」という予約の意味合いで
クラウドファンディングに協力しようと思います。

近いうちに下手な英語でお酒を飲もうっていう気持ちです。

英語のオンライン授業
留学に興味のある人は
F2Fのクラウドファンディングをチェックしてみてください。
↓↓

https://camp-fire.jp/projects/view/257785

漆の裾野を広げなければならない理由

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
先日「漆の裾野を広げるより、すでに知っている人に集中すべきだ」と書いたばかりですが、
発言を一転させます。
先日の記事はこちら 「漆の裾野は広げないほうがいいと思う理由」

今日の記事は「裾野を広げなければならない理由」について書きます。
先述した通り、国内で裾野を広げる活動は漆の未来にとってもあまり良くないと思っているから今後も行いません。
ただ、海外に目をやると「漆を知っている人」はほぼいません。
なので裾野云々言っている場合ではなく
「知ってもらう活動」から始めなければなりません。

この辺りの考え方については
過去記事に書いた通り、一筋縄ではいかない挑戦が続いています。(過去記事はこちら「説明しにくい様式美」



現状では
僕の制作は「馴染みのない素材で作ってある、綺麗な箱」という位置付けだから
その武器でどこかに居場所を作って行くしかないかな。と考えています。

そのためには、やはり地道な活動しかなくて
まずギャラリーに見つけてもらう、そのための活動をしっかり行う。
というのを数年単位で続けてゆくしかないかと思います。

多分この世界は例外なく、地道な活動が成功につながっていて
作品のクオリティを上げ続けながら活動範囲を広げてゆくことが
唯一、美術史を作ってゆく道だと思います。


華やかな世界に見えて
全ての作品を懸命に作り
それぞれの展覧会を最高のものにし、
毎日作業場に向かう泥臭い日常の繰り返しです。

というわけで明日も夢に向かって工房に向かおうと思います。

漆の裾野は広げないほうがいいと思う理由

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漆芸作家の浅井康宏です。
工芸分野はなんとなく衰退産業のようなイメージがあるかもしれません
僕は年々二極化が進んでいるように思います。

どの業界にも言えることだと思いますが、
勝ち始めると資源を投下してより良いモノづくりができる。
結果的にお客様が増えて、さらに勝つ。

逆のパターンではどんどん使える資源と時間がなくなってゆきます。


この負のパターンにはまる第一段階とは何か
それが今回のテーマである「裾野の広げすぎ」だと思っています。

ツイッターでアンケートを取ってみた結果
2020年4月15日現在

1018票のアンケート回答をいただいて
96パーセントの人が
「漆」のことを知っていた
「蒔絵」「螺鈿」を知っていたという結果でした。
僕のことをフォローしてくれている人が中心だからこのような結果になったとも言えますが、
あらかじめ「漆」の知識を持ってくれた上でフォローしてくれているということです。

僕のツイートがきっかけで「漆」のことを知ってくれたのはたったの2パーセントの人。




この結果を現実に落とし込んで「新しく漆を知ってもらう」活動をするということは
96パーセントの興味を持ってくれている人を見ずに新しいお客を探すようなものです。

普通に考えたらすでに知識のある人に向けて
より高いレベルの提案をしたほうがいい場面で
初歩的な提案ばかりしていて、大多数の知っている人への提案がすっぽり抜ける結果になり兼ねません。


新規開拓というのは響きがいいかもしれないけど
けっきょく買い手のレベルを低く見積もっているだけです。

漆の未来を作る方法は
閉じられた扉を開けるのではなく
開いたドアに向かって新しい未来を提案することだと思います。
そう思う結果でした。

アンケートにご協力いただきありがとうございました。