カテゴリー別アーカイブ: 漆に生きる日々

努力できないときに考えること

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は「最近努力できないな」とか「自分、ガンバレてないな」と思うときに
考えることについて書きます。


プロローグ
昔から自分は「努力家でいたい」という思いが強くて、
それを実行してきたつもりですが、どうしても「努力が足りてないな」という時期はありました。
そういうときに自分を責めるんです。「なんでこんなこともできないんだ!!」と。

しかし、
努力や工夫にはエネルギーが必要だと気が付きました(当たり前ですよね)


【体力のように精神にも保たないとならないエネルギーがある】
肉体には限界があるのは、頭で考えたらわかります。
例えば生身の体でエネルギーの補給や休息をとらず走り続けるのは不可能と理解できますよね。
精神的な分野においてはなぜかエネルギーの配分が雑になる自分がいます。

だけど、努力や新しいことへの挑戦って、思っているより精神の余裕が必要です。
簡単にいうと精神の体力のようなものがあるようです。
この部分ってなんとなく精神力や根性論みたいに「気持ちでどうにかなる」と感じがちだけど
そもそも余裕がないと努力などできないことがわかってきました。


【追込み期間中には努力などできない】
例えば、締め切り期間中に「新しいことを始めよう」と考えたって
実際にはうまくいきません。締め切り前に14時間作業をした後に「よし英単語を20覚えよう」とはならないんですよね。
1日くらい出来たとしても継続は難しい。

そういうときに「自分はダメだな」と思いがちですが
そこで改善すべきは、自分の精神力ではなく単純に時間がない現状だったりします。
試しに、締め切りをクリアして数日たてば「よし、新しいことに挑戦してみよう」と必ずなります。



なので「何も出来ない」時、「少しのことでイライラする」時、
自分の性格的な弱点ではなく
単純に時間と体力が足りていない状況を疑ってみることにしました。
そうすると「自分の原因というより状況が合っていない」と思えることが多くなってきて
「状況が改善すれば必ず最善の努力ができる」自分がいると気が付きました。

うまく出来ない時って自分を責めてしまうことが多いですが、
そういう時は単純に自分にとって大切な時間が足りていないことが多かったり
忙しすぎて余裕がない時が多いです。

時間や自分を取り戻した時、必ずできる自分になると思えれば
「努力できてないけど、今はHPが足りていないだけだ」と考えられます。

精神力も体力のように考えて
必要な栄養と休養を与えてやれば、どうせまた走り出します。

心なんてそんなものだと思います。

Youtube Liveを続けて思うこと

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
少し前から始めた「Youtube Live」
毎週土曜日17時から1時間、知的好奇心高めの人だけに向けた
マニアックな漆トークを繰り広げております。


このライブは「人気を集めてYoutuberになろう!」というのは毛頭無く
漆が好きな人に、わかりやすく漆情報を届けたいと思いで始めました。
なので、今後も特に人気が出るようなテーマを狙うこともなく
「漆愛の塊」として放送してゆこうと思います。

もうすぐ放送10回になると思うのですが、
毎回1時間というのは割とハードル高い放送だと思います。
僕自身も話だけで1時間というのは最初不安でした。

内緒ですが最初のうちは前日から車の移動時にずっと練習していました。

この放送の1時間話し続けれているのは
ブログのおかげだと気がつきました。
理由は

○思っていることを言語化できる訓練としてブログが役立っていた。
○成果がすぐに現れなくても、続けていれば上達する。
○楽しいと思えることは続けられる。



以上のように、ブログを書いてきたことで、得た気づきや言葉が
案外Youtubeにも役立っています。

そういえば、物書きの人で話し上手は多い気がします。


僕は漆芸作家だから文章のプロにもトークのプロにもなろうと思っていませんが、
自分のやっている「美」に関して伝える方法はなんでもやりたいと思っています。

いつも言っているように作家の仕事とは「作り」「伝える」ことだと思っています。
これからも毎週楽しんで漆の面白さをこれからも叫んでゆきますのでどうぞよろしくお願いします。

追伸,Youtubeのチャンネル登録者数が1000人を越えるとスマートフォンでライブ中継ができるようになるようです。
出張などがあるとライブ中継できなくなってしまいますので、スマートフォンで中継できるようになると嬉しいです。
なので今のところチャンネル登録1000を目指しています。
よかったら登録お願いします。

https://www.youtube.com/channel/UCQ1TYOqpyFVn4Up0YtknEQA?view_as=subscriber

【浅井康宏】漆芸制作室プロジェクトサポーターを募集します

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
CAMPFIRE community https://community.camp-fire.jpというサービスを利用してサポーターになってくれる人を募集します。


そもそもCAMPFIRE communityって?
CAMPFIRE とは大手のクラウドファンディングを行っているサイトです。
クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指しています。

(campfire HPより引用)

つまり、新しいプロジェクトや商品の開発にあたり共感してくれる人をインターネット経由で募集する仕組みです。
最近はコロナウイルスの影響でクラウドファンディングが一般化してきました。


今回僕が始めようと思うのは単体のプロジェクトではなくて、
少し長期的な活動を考えています。
そこでCAMPFIRE communityというプラットフォームを利用して
毎月のサポートをしていただき、それに対してリターンを行う仕組みです。
当面の大きな目標は2021の個展と、それにともなう制作と会場設営などの活動全般を応援してくれる人がいたら嬉しいと思いスタートしようと思いました。


もともと雑誌や展覧会の案内などをできるだけ広く紹介したいと思っていましたが
送る先は知り合いが中心だったので
関心を持ってくれた方に定期的に展覧会案内や図録や雑誌を送れる仕組みを考えていました。

ブックサポートメンバーに登録していただけたら、それが可能になるので
今月末に特集していただいた「淡交」6月号の「螺鈿特集」からお送りしたいと思います。

他にも作品サポートコースとプレミアムコースという12ヶ月おきに作品をお送りするコースを作るので
僕の作品に興味がある方に応援していただき、オリジナル作品をお送りできればと思っております。


美術雑誌や展覧会図録は普通の本に比べて入手がしづらく
サポートしていただくことで自動的にお手元にお届けできます。

作品もほぼ一般販売していないし、個展に足を運ぶのが難しい場合
紹介する機会がなかったので制作風景を紹介しながらお届けできる仕組みに共感していただけると嬉しいです。


最後に

今回のプロジェクトはコロナとは関係なくたまたまこのタイミングでの紹介となりました。

工房は休止しておりますが、僕は元気に毎日仕事しております。
主目的はSNSのようなコミュニティの延長として考えており、
作品コース、ブックサポートコースともに楽しんでいただきたいと思ってます。

今まで公開できなかった公募展用の制作過程や
ディープな活動内容の共有など一般公開しにくかった部分での情報交換ができればと思っています。


漆芸制作の活動を立体的に楽しんでいただける方に共感していただければ嬉しいです。
現在サイトの審査中なので、通ったらまたおしらせします。

各コースの詳細

500円/月
○Facebook の非公開グループにご招待します。
グループ内でプロジェクトの進行や制作の最新情報を投稿してゆきます。

○参加する展覧会や公募展の案内やチケットをお送りします。

○気軽に応援いただけると嬉しいです。

1,000円/月
○雑誌や新聞など掲載された発行物をお送りします。

○年間3回出品する公募展の図録をお送りします。

○2021年制作予定の「浅井康宏 蒔絵作品集(仮)」が完成しましたらサイン付きでお送りします。

○Facebookの非公開グループにご招待します。グループ内でプロジェクトの進行や制作の最新情報を投稿してゆきます。

○参加する展覧会や公募展の案内やチケットをお送りします。

12,000円/月
○全て日本産漆を使って作った新作酒器(150,000〜200,000円相当)を12ヶ月ごとにお送りします。

○Facebook の非公開グループにご招待します。
グループ内でプロジェクトの進行や制作の最新情報を投稿してゆきます。

○参加する展覧会や公募展の案内やチケットをお送りします。

12,000円/月
○全て日本産漆を使って作った新作帯留(150,000〜200,000円相当)を12ヶ月ごとにお送りします。

○Facebook の非公開グループにご招待します。
グループ内でプロジェクトの進行や制作の最新情報を投稿してゆきます。

○参加する展覧会や公募展の案内やチケットをお送りします。

30,000円/月
○全て日本産漆を使って作った新作の小さい作品(450,000〜500,000円相当)を12ヶ月ごとにお送りします。

○Facebook の非公開グループにご招待します。
グループ内でプロジェクトの進行や制作の最新情報を投稿してゆきます。

○参加する展覧会や公募展の案内やチケットをお送りします。

※画像の作品は参考作品です。今回は別デザインの新作を制作します。
※制作前に打ち合わせを行い、どのような作品を作るか大まかに話し合います。
例えば「ソムリエナイフ」や「特注のペンダントトップ」などアイテムを決定してゆきます。
※意匠に関しては一任していただきます

漆植栽で1番重要なこと

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文化財修復が原則的に日本産を使うことになり
それまで冷遇されてきた日本産漆の需要が拡大しました。
それまで国内使用における国産漆の使用比率が2%〜3%だったのですが、
昨年は5%になったようです。
これは朗報ですが、漆の全体使用量が減ったこともあります。ただ、国内の生産量は増えています。


さて、そもそも漆とはなんでしょう?
このブログの読者さんはご存知の方が多いと思いますが、
僕たちが制作に使用している漆とは「漆の木」から得られる樹液です。

樹液なので樹木を育てる必要があって、
樹液を得られるまでに10年から15年ほどかかります。
その樹木の幹を傷つけて漆液を1滴ずつ集めてゆきます。


漆の木は山に勝手に生えている山の木というイメージがあるかと思いますが、
実は典型的な里の木です。
人間が植えて手をかけなければ育ちません。

父と一緒に16年前から漆栽培を始めて現在およそ200本の漆が鳥取に植わっています。
しかし、200本全てが順調に育っているわけではありません。
実は10年以上育てても幹が全く太くならないものもあります。

僕たちが育てている漆は西日本を中心に根を分けた分根法で増やしたものです。
その産地によって成長度合いが大きく違います。
葉の形や幹の様子から全く違うので「これ、本当に同じ種類なの?」と感じるくらいです。


漆の栽培は今後さらに必要になってきます。
そこで、大規模な植栽を行う場合、複数の産地のものを植えるのが必要だと考えています。
必要条件として最も大切なのは成長速度です。

土地と親木の性質の相性もありますが、
育たないと漆が採取できないので、どの品種が育ちがいいかわからない場合複数種植えなければなりません。
次に重要なのは採取量です、葉の少ない木、幹の細い木は漆液の採取も少ないので土地の広さに対しての不利になります。
漆の質はその後です。

漆芸作家としては
○乾きが早い
○透けが良い
というのが扱いやすいですが、
精製や複数混ぜることで性質を調整できるので
植栽と制作を行っている立場から、
成長が早いことと採取量が多いことを第一に考えて植栽地が広がってゆくことを望んでいます。

もし漆の木にご興味がある方いらっしゃいましたらぜひ鳥取の漆の木を見にきてください。

自分の仕事価格を勝手に安く見積もってしまう人へ

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こんにちは、漆芸作家の浅井康宏です。
今日はフリーランスあるあるだと思うのですが、
自分の仕事価格を安く付けてしまう人の気持ちと、僕の考える対策を書こうと思います。


プロローグ
フリーランスで仕事していると、
仕事の価格を決めるという重要な業務がのしかかってきます。
時給や月給計算ではない難しさがあります。

僕の場合。
活動初期はとにかく自信が持てなくて、
出来るだけ安い価格でいい仕事をしようと思って見積もりを作っていました。
ちなみに20代の頃は親戚に頼まれた家紋の蒔絵や
おわん制作などをしていました。

問題の作業料ですが今から考えると、
とてつもなく安い価格で作業していました。
おそらく材料費を引くと時給計算すると1時間で200円〜500円くらいだったと思います。


なぜ安く見積もっていたのか
実は、自分の仕事を売る時
「相手のお金を奪ってしまう」という心理が働いていました。
直接相手が見えるだけに、「お金をもらってしまって申し訳ありません」という気持ちがあったんです。

普通に考えたら、「仕事をしてお金もらうのだから申し訳ないなんて思わなくてもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、
当時の僕はお金との付き合いがとても下手でした。
根本的に自分が生み出した価値にお金という対価を結びつけるのが苦手だったのです。


転換期
僕が仕事をする上で、作品価格について冷静に向き合えるようになった出来事が2つあります。

1、人間国宝 奥山峰石先生に仕事を頼まれる
以前のブログ(https://asai-urushi.com/blog/仕事の値段を決める方法を教えてもらった話/)でも書きましたが、
先生は僕の制作活動を支えてくれるため、時折ご自身の作品の蓋の制作、グループ展での作品購入など、公私共支えてくださいました。
そして、いつも「次も引き受けても良いと思える価格を付けてください」と言って、僕が伝えた請求金額より多く支払って励ましてくれました。

ときに厳しく「ちゃんと仕事になる価格を付けてください」と言われたことが、
職人として、作家として生きてきた先生の実践的な教えでした。


2、最高の消費者を目指す
これは明日からでもできることなので、自分の仕事の値段を決めるのに自信がない人はぜひ、自分の業界の中の最高の消費者になってみてください。
僕の場合は美術業界なので、好きな作家の作品を積極的に買っています。
「なんで消費者になると、価格をつけるのに罪悪感がなくなるの?」と思われるかもしれませんが、
好きな業界の好きなものを買うと、
心から「こんな素晴らしいものを作ってくれてありがとう!」と思えるのです。
そして今まで囚われていたお金という得体のしれないものが
価値の交換ができる素晴らしいものへと変化しました。

消費者になってみて、今まで買ってくれた人が
「ありがとう」と言ってくれた言葉の意味がわかったのです。


お金との付き合い方や、
罪悪感のような感情。
フリーランスになると色々な悩みが生まれると思うけど、
自分が作るものが多くの人に喜んでもらえて、
そして自分の活動も加速させるために一歩ずつ階段を登る方法は必ずあります。

97%中国産頼りの日本の漆業界について

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こんにちは漆芸作家(シツゲイサッカ)の浅井康宏です。
今日は先日多くの方にご意見いただいた日本産漆について書きます。


プロローグ
現状日本の漆使用量の97パーセントは中国産頼りです。
しかし、数年前までは98パーセント中国に頼っていたというデータだったので、
1パーセントでも回復したことになります。

ツイッター上で多く寄せられた疑問は2つ
○品質はどう違うの?
○価格はどれくらい違うの?


1,品質の違いについて
品質については、中国産と日本産の差はあまりありません。
実際に化学分析してみても極端な差は出ないはずです。(今回は科学的なデータの掲載はしません)

作り手の感覚からすると、
日本産は湿度を与えることにより硬化する漆の特性をコントロールしやすい側面があります。
これは、日本産漆が採取時期によって、特徴を持っているからです。

初漆=乾きが早いが透けが悪い
盛漆=乾きは程よく透けが良い
末漆=乾きが遅く、透けが悪い

上記の特徴を生かしてそれぞれ、絵漆、塗り用の漆、下地と使い分けることができます。
たぶん輸入された漆は全てのシーズンのブレンドなので、平均的なパフォーマンスを見せてくれます。
日本産は産地や採取時期を選んで使える分、上級者向けであり、
扱いが難しい側面があります。

※ツイッターで中国産は日本産漆より紫外線に弱いという情報をいただきました。
これについてはソースを確認し、また漆屋さんにデータをいただきながら正しい情報をいずれアップできればと思います。
今回は明言を避けます。


2,価格の違いについて
価格の違いについては、日本産が中国産の5〜8倍であると思います。
最近は自家製の漆を使っているため、相場がわかりませんが、だいたい上記の範囲でしょう。
日本産、中国産ともに年々価格が上がっています。
将来的には中国産の漆も高騰することが予想できますね。


上記のように、あまり特徴を打ち出せていないが価格が高いというのが現状で、
長い間、国産漆は苦労してきました。
採取法が原始的で、採取総量を増やせないのが問題で、
機械的に生産量を増やしコストを抑えることができれば、
将来中国産の漆の値上げも考えれば、国産漆の使用量が回復することも可能なはずです。


最後に
文化庁が平成30年より国宝・重要文化財建造物の保存修理に用いる漆を原則的に国産を使うように決定しました。
これによって、それまで余っていた日本産漆が突然足りなくなりました。
しかし、漆の生産までには長い年月がかかります。

首里城の消失も含め国産漆への関心が高まっている今、
明日のための植栽は急務であると感じます。

漆に関心を持ってくれる方が一人でも増えると嬉しいです。

ゼロをイチに変えてゆく

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今回の記事では僕が物作りの生き方に悩んでいた20代の頃の不安と
振り返ってみて、その時期にやっておいてよかったことや、
失敗経験から見つけた活動の本質を書こうと思います。

2013〜2015年あたり、僕は焦っていました。
「個展をしたい!!」という気持ちが膨らんで、
とにかくいろいろな人に会い「個展がしたいです!」と言いまくっていました。
それでもまったく結果が出せなくて苦しい時期でした。


僕はその頃、作家としてのキャリアの成長曲線は
なだらかな右肩あがりだと思っていました。
だから、長期間平行線しか描いていない自分のキャリアが
ゼロのまま30代に突入してしまうのではないかと怯えていたのです。
漆芸作家は極端な寡作(かさく)なので、制作面での焦りもありました。


結論から言うとキャリアの成長曲線は
ある時点で急激に上昇し、平行し、また上昇すると言うイメージの方が近いと感じています。
例えば、
◇インパクトのある個展を開く
◇雑誌に紹介される
◇テレビに出る
◇賞をとる
◇相性抜群のギャラリーと仕事する

など、何らかのきっかけで一気に認知されることがあります。
最初の上昇ポイントに到達するまでは、とにかく苦しいし、無力感があります。
活動してもゼロが続く感じです。

そして、ここがポイントなのですが、最初の上昇ポイントが訪れても
自分を取り巻く環境は、おそらくそこまで変わりません。
本人的にはゼロではなくなったから
「これからすごいことが起こるかも!!」と思うのですが、
実際はあまり変わらない明日が来て、明後日がきます。
(認知と変化は時差があります)

僕がそうだったのですが、全国展で賞をいただき
NHKで作品が少しだけ登場して喜んだけど、周囲の変化は感覚的に「無」でした。

ただ、このような機会でキャリアがゼロからイチになったと言えます。
なので、とにかくアクセルを踏み込みましょう。


その後、また平行線を歩み、小さな足し算や掛け算を続けていって、
自分の活動が加速してゆく実感があります。

ゼロの時代が長くても、
変化がわかりにくいイチの期間も歩みをやめず、
前を向いて歩んで行くことができるならば、
ふとしたきっかけで、足し算や掛け算が自分を次のステージに押し上げてくれます。


結論としては
○結果が出ない時期は長い(焦っているからそう感じる)
○ゼロからイチになってもあまり変わらない(実際は変わってるけど、実感は少ない)
○歩みを止めたり、休んだりするとずっとゼロのまま
○とにかくもがいていたら思わぬところからチャンスが来る
○チャンスが来たら迷わず掴む!!(納期大丈夫かな?自分のキャパ超えてない?とか考えない)

このように考えながら、日々活動を続けています。

工芸の機械化はどこまで許されるか

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工芸=手作業のイメージは強い。
しかし、工芸の機械化が進んでいるのも確かで、
そのことについて尋ねられることも増えて来ました。

プロローグ
僕は漆に関して専門的に習った二人の恩師がいます。
一人は大学時代に習った林暁(はやしさとる)先生 
https://www.nihonkogeikai.or.jp/works/786/

もう一人は蒔絵技術を習った室瀬和美(むろせかずみ)先生https://www.nihonkogeikai.or.jp/works/810/?kokuhou_flag=1

先生方には技術と漆に対する姿勢を習いました。
共通している部分と、全く違う考え方を持っていることもあり、
僕が対極的だなと思っていたのは、
工芸の機械化への考え方です。

林先生は割と、機械化肯定派で
「手の先にある機械ならなんでも使っていい」と言う雰囲気があって、
実際に3Dでデザインした造形を機械で切削していました。

一方で、室瀬先生の工房は手工具がメインで、
「手で作るものの緊張感を第一に作る」雰囲気がありました。
まっすぐな線も定規を使わず描くので毎日勉強になりました。


僕のスタンス
僕が考える工芸と機械の考え方は
「完成したものが、工芸の伝統に即しており、
なおかつ、自分の頭と指先の延長線上にある技術なら大いに使う」
と言う感じです。

つまり、まっすぐに木材を加工するのに、
手鋸を使っても、電動帯鋸を使っても良いと言う考え方です。
仕上がってくるものは、まっすぐに加工された木なので
過程は問わないです。

そういった考え方から
木地づくりには3DとCNC加工機を使って造形することもあります。


ただ、加飾に関しては
一貫して「手作業」を愛している部分もあって、
何万パーツも必要な作品制作においても、
必要な部品は全て手作業で作っています。

これは、きっと室瀬先生から教わった、
「手で作るものの緊張感を第一に作る」感覚が自分に合っているからです。
それと、現代最高の技術を保持したいと言う思いから手技にこだわっています。


今後、技術は発達して、人間がものを作らなくても良くなってゆく時に、
僕たちが持っていた技術の代替が急速に進むかもしれません。
それに技術自体がなくなってゆくことが起こるでしょう。

守るものと展開すべきものをしっかりと見つめて、
活動の全てを通して美を届けることができるのなら、
きっと、大切なものは残ってゆくはずです。

スランプから脱出する方法

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どの分野でも、スランプにハマることはありますよね。
スポーツでも、アートでも、
日々同じような鍛錬を積んでいても、
好不調は避けられない時があります。

今日の記事は僕なりのスランプ脱出法を書こうと思います。


プロローグ
僕は、そもそもスランプに陥らないような活動を続けてきました。
具体的にいうと、
○生活を整えて、ルーティンに従って活動する。
○毎日デザインを考えて、制作リストを常にいっぱいにしておく。

上記の2つを続けていると、
制作上のムラは最小限になります。
何より、作りたいものが何年も先までずっと埋まっている状態なので、
意匠面で「次作に悩む」ことは、少ないです。


僕が感じるスランプとは
精神的なことに起因する部分が大きいです。
今年は、特に展覧会での落選が続いており、
社会的な評価が得られにくい年になっています。

「チャレンジの年」と銘打って活動しているから、
ある程度、落選は予期していましたが、実際に落選を続けるのは、
精神的に苦しいものがあります。

活動自体は力強く前進していても、
ふと「このままで大丈夫なのだろうか?」と
弱気になることもあります。

そういう時期は決まって、企画展の依頼がパタリと止んだり、
海外からのコンタクトがなくなったり、不安なことが重なったりします。


そういう時の対処法
そういう時、僕はとにかく、もがくようにしています。
出来るだけ多くの活動を行うようにするのです。
例えば展覧会をたくさん見たり、全く違った方向の制作に手を出したり、
メールをたくさん送ったり、製図をたくさんしたり。

理由は簡単で、自分が動いていないと、もっと不安になるからです。

結果から言うと、
この時期のがむしゃらな活動は、のちに何らかの影響をもたらすことは少ないです。
スランプを抜けるときは、意外なところから糸口がもたらされます。
(つまり、もがいている時に蒔いた種が発芽するイメージではありません)
1つの展覧会かもしれないし、1つのアイデアかもしれない。
または、一通のメールかもしれない。


けっきょくのところ
スランプの時期にもっとも良くない影響は、
自尊心を失うことだと思っています。
僕の場合、蒔絵に対する愛情と、そこにかける自分自身への自尊心を失いたくない。
だから、スランプの時に活動を加速させたいのです。

人によっては、一度対象から離れることが良い場合もあるでしょう。
スランプの時にやってくる
「自分はダメだ」と言う思いが和らぐなら、どのような方法でも、
スランプを脱する方法になるでしょう。

自分なりのスランプ脱出法を見出すのも長期的に活動するポイントのように思います。

前例が無くなってからが本番

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実は僕、いろいろビビってて、何をするにも前例にしがみついていました。
それが20代の頃です。

ブログで発信したり、ツイッターしたり「有名人でもない僕の発信になんの価値があるんだ?」
「いつか有名になってから発信した方がいいはずだ!」と、いろいろなことを先延ばしにしていたんです。
そして、多くお先人たちの略歴を研究していました。
なぜかというと
「明治生まれの〇〇先生はこの年に〇〇をしたのか」とか
「先生の先生は僕と同じ歳のときに〇〇を作ったのね」みたいに、
あたかも前例を勝手に仮定して、そこを追いかけるような活動を、
心の拠り所にしていたところがあります。
そして、それは楽なのです。
憧れている人のキャリアを目指して追いかけるのだから
充実感もあって、達成した時の喜びも大きい。

でも、仮に前例を100年前に生まれた人に設定してみても、
今と全然状況が違うし、彼らのやって来たことは、新たな道を1から開拓したようなものなのです。
後から見てみると、それがきちんとした道になっているから、いとも悠然と活動しているように見えて、
その瞬間、瞬間は壮絶だったはずです。

それに、キャリアをコピーすることはできません。
最初は過去とか、周辺を観察しながら恐る恐る歩んでいても、
気がつけば、すぐに前例の無い状態になります。

僕はそれに気づくのが遅くて、29歳のときにやっと、
前例がない状態に自分があると焦りました(正確に言えば、どのような活動においても前例なんてないです。)
それに気がついてから、前を向いて走り始めたのです。


実のところ大人になるということは
前例の無い道に足を踏み入れることのように思えます。
学生時代までは、あらかじめ問題と答えが用意されているけど、
社会に出たら、突然、自分の生きている周囲の問題を見つけることを要求されます。


そう言えば、以前、恩師から
「俺の先生が俺に言ってくれた言葉がある」と話してもらったことがあります。
「まず立て、後ろに壁を作れ、左右に壁を作れ、そして一歩踏み出せって」


その時はあまり意味がわからなかったけど、
頭の中でイメージするとすごく勇気がもらえる言葉だったように思います。
前例がない真っ暗な道に差し掛かった時、そこからが勝負なのです。

「まず立て、後ろに壁を作れ、左右に壁を作れ、そして一歩踏み出せ」