営業すること

美術と営業、一見かけ離れた言葉に感じます。
いや、かけ離れていて欲しいと思いたい人が大半なのではないでしょうか。
「作家の仕事は作ることであって、それを売りに歩くなんて間違ってる」そう思いませんか。
実のところ、作家の仕事とはいい作品を作ることではありません。
いい作品を作るのは当たり前で、それをいかに知ってもらうか。というのが作家の仕事だとつくづく感じます。
そのために営業は必要なのか?

今回の記事は僕の美術と営業の考え方をまとめてゆこうと思います。
※ちなみに今回の営業とは画廊への売り込みについて書きました。※

◎美術における営業とは

営業という言葉、どこかで知らない人の家のドアを叩いて商品を売り込むイメージありませんか?
これは飛び込み営業という古〜い営業方法で、効率悪くて消耗も激しいので美術に向いていません。
美術における営業とは、人間関係を作ることです。
どのような業界でもそうなのですが、裾野の広い業界でもキーパーソンはそんなにいません。
つまり数人とか十数人の実力者によって業界が回っています。
この人たちと知り合いになれば、話が早く、それが自然と営業になってゆきます。

◎では、どう知り合えばいいのか

いくつかの方法があります。
まずは、発見してもらう方法。
簡単な話、見つけてもらって声をかけてもらえればいいのです。
方法は三つ
1、卒業作品展で見つけてもらう
2、公募展や個展で見つけてもらう
3、snsや他のメディア媒体で見つけてもらう

1の卒業作品展は主に芸大出身の場合効力を発揮すると思います。他の大学だとそもそも見てもらえるかわかりません。
芸大の卒展に限っては高い確率で美術関係者が集まるので、そこで目に止まることができたら営業成功ですね。
2の公募展や個展は公募展出品作を気に入ってもらう、個展で作品を気に入ってもらうということ。
3は現代特有なのですが、FecebookとかTwitterで見つけてもらうこともできます。僕もsnsでたくさんの作家さんと出会いました。

ただし、この見つけてもらう方法は、他人任せで自分ができることは限られています。
公募展とか卒業作品展などは多くの作品が同時に展示されるので、実際作品を見つけにくいのです。
例えるならば、同時展示されている状況というのは、路上ライブのようなものです。
どんなに音楽好きでも路上ライブから有能なミュージシャン見つけるのは難易度が高すぎます。
よほど目立っていてタイミングがぴったりでないと難しいのが、見つけてもらう営業法ですね。

◎足を運ぶこと

自分でできる営業法
そして再現性のある営業法
それは足を運ぶことです。
営業とは自分の商品を売り込むことだと思われていますが、
僕は逆に相手を知ることだと思っています。
だから自分の好きなギャラリーには何度も足を運んで
作家やギャラリストの話を聞きに行きます。
別に相手に影響される必要はありませんが、その人がどのような人かは重要です。
例えば企画画廊の個展となると、少なくとも10人前後の人が動きます。
百貨店の個展はさらに多くの人が動くことになります。
なので、お互いがしっかりと知り合っていなければ
「さあ個展をしましょう」とはなりません。

あとは小山登美夫さんの著書にも書かれていましたが
個展の機会は作家からの紹介が多いようです。
つまり、信用できる人の知り合いがということですね。
もりろん実力があるのが前提ですが、この言葉からも人間関係での成り立ちがはっきりします。

◎けっきょく

最初の話に戻りますが、美術における営業とは人間関係を作ることです。
それには時間がかかるし、傷つかなければならない時もあります。
いい作品を作るのは当たり前で、それをいかに知ってもらうかという時に
じゃあ自分はどれだけ相手のことを理解しようとしているのか。相手に何を提供できるのか。
つまりは、自分という人間と出会うことでどれだけの人の人生に少しの変化と幸せを作り出せるのか
それが美術に限らず営業の本質だと思うのです。

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