作品と写真

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作品を作っても、その作品はそれで完結はしません。
誰かにそれを届けて意味があり、
その方法は
実物を見てもらうだけではないと思っています。
その作品をネット上にアップする、
紙媒体で見てもらう。
そうやって、誰かの目に触れてこそ、
そこにある現代の作品として歩んでゆけます。

そのために、質の高い作品写真が必要になりますが、
僕は若い頃に写真家の大堀一彦さんに完成作品を撮影してもらってきました。
今から考えると、駆け出しの若い作家の作品を
4×5判のでっかいカメラで撮影してくれたこと、(出世払いで)とても感謝しています。

大堀さんが亡くなり、カメラもフィルムからデジタルへ移行しました。
長い間撮影現場に立ち会わせてもらって、
大きな転換期を見てきましたが、
デジタルへ移行したことにより、
さらに前進した作家性が生まれる予感がします。

それは、
写真としての作品の完成度を高める選択が生まれること。
撮影者の作為が色々な意味で作品を生み出す予感。

自分の作品とカメラマンの目線
それが合わさることで、新しい見え方が生まれます。
「かっこいい」
「きれい」
誰かの目を通した
会心の一枚は、僕の作品に
新しい目線を与えてくれました。

今でもよく
手元にない自分の作品の写真を眺めます。
「この作品はこういうセッティングで撮影してもらったな、いい写真が手元にあってよかった」
カメラマンさんと出会うと撮影送られてくる写真がすごく楽しみです。

作品の空気みたいなのを
写真を通して誰かが受け取ってくれたら嬉しいです。