「誰かが必ず見ててくれてるんですよ」
よく行くギャラリーに顔を出して
世間話をしました。
特に来年から再来年の予定がびっしり詰まって来て、
「なんだかものすごく求めていた未来が近づいて来たような気がします」と話すと。
「浅井さん、誰かが必ず見てくれているんですよ」とギャラリーのオーナーが言ってくれました。
美術って本当に長期戦で、継続的な活動を加速させて行かなければなりません。
ものすごい天才で強運の作家でも、数年から10数年は世に出れないんです。
学校を卒業した瞬間からバリバリ売れまくる作家ってそんなにいませんからね。
誰にも注目されていない中、ひっそりと作り続けるのは、とても孤独です。
それに貧乏だし、たまにバカにされたりします。
でも、それでも一生懸命頑張っていると、必ず誰かが見ていてくれているようです。
僕も美術の世界では若手ですが、30代を過ぎると後輩や若手の作家が出て来るようになりました。
むやみに目立とうとしなくても、才能があったり、懸命に努力している人は気になって
その後の活動を注目するようになります。
目についちゃうんですよ。
僕はむやみに目立とうとして、とにかくわけのわからない若手作家だったと思いますが、
そんなことしなくてもよかったようです。
自分がどのように見られてるなんてわからなくて
とにかく無名時代を早く終わらせたくて、無我夢中でした。
誰も見ていない瞬間でも、懸命に生きているとが
人間としての成長につながって、誰かに伝わるのかもしれません。
作品もそうで、毎日休まず続けていれば、作品が誰かの心に届くのかもしれません。
妬んだり、誰かのせいにしたり、社会を恨む作家は多いですが、それは時間の無駄です。
誰かが見ていても、誰にも見られていなくても、
また明日も作業部屋に入って新しい作品を作るしかないんです。
そうしたら、誰かが必ず発見してくれます。そう願ってます。
たまたまYouTubeで鶴瓶さんが吉田羊さんの話をしている動画を見つけて、
どんな時も懸命に生きてゆくことの力強さを感じました。
未来って本当にわからないけど
「誰かが必ず見ててくれてるんですよ」