作家のグループ展初日の気持ち

どの展覧会にも言えることですが、
展覧会の初日というのはとても緊張します。
何に緊張するかというと、
「初日に作品が売れて欲しい」という気持ちに
現実が的確な答えを出すからです。
特に、グループ展だと、、
とても緊張します。

作品が売れるとか、売れないというのは
誰かをその作品で幸せにできるかということなので
立ち止まってくれる人がいなかったというのは
自分と、作品にその力がなかったということだと思っています。
そして結果を真剣に受け止めなければなりません。

「おわん展」初日
僕の作品は一点も売れませんでした。

グループ展の他のメンバーの作品が売れてゆくのを尻目に
自分の作品が残ってゆく切なさを久しぶりに味わいました。

理由はたくさんあると思います。
例えば、毎回小さな作品を楽しみにしてくださるお客様がたまたま初日に来られなかった。
4月の初個展にお客様に来てもらいたいから、案内をあまり送らなかった。
新しい作風にチャレンジしてこけてる?
そもそも作品が悪い?

心の中では
「個展が近いからグループ展で一生懸命作品を紹介することはない。」
という気持ちがあって
ここ数年作品が好調で少し気が緩んでいたのではないかと反省もしました。
でなければ、ちゃんとDMを出してお知らせしますからね。

今回の作品は新しいシリーズの展開も兼ねていて
ちょっと挑戦的な部分もあります
今の自分とこれからの作品の方向を探るような作品です。

一生懸命作りましたが、
それが誰かを幸せにできるかどうかは自分の努力とは関係ないので
しっかり受け入れていようと思います。

土日は昼から在廊なので、たくさんの人と会って
漆のことをたくさん話そうと思います。

周りの人は
「いい物を作っているのだから、気にすることはないよ」
と励ましてくれますが、
僕はプロなので絶対に誰かを幸せにしなくてはならないのです。