構図に感情を足してやる その2
先日の続き
前記事はこちら
残念ながら、作り手が思っているほど
自分以外の人が作品を特別扱いはしてくれません。
だから、この10メートルの構図でしっかりと人を惹きつける必要があります。
この10メートルの構図で作品を発見してもらった後
1メートルの構図を用意します。
ここで重要なのは主題です。
ここではっきりと何を表現しているか伝えることができます。
花を描いた、猫を描いた、幾何学模様が描いてある。などなど。
そして10センチの構図ですが、
この辺りは工芸家が得意な分野かもしれませんね。
実はどれだけ大きな画面でも
人の目が向かう場所というのは限られています。
つまり、意図的に視点の誘導は可能です。
仮に、大きな黒板があって数秒の時間をもらうことができたら
数秒から数十秒黒板の前にいる多くの人の視点を集中させることのできる
小さなシンボルを描くことができます。
例えば
女性の裸体や陰部
赤ちゃんの絵などは
本能的に見ずにはいられないシンボルだと思います。
大きな画面にたくさんの情報があっても
人の視点の移動は限定的だとも言えます。
もう一度フェルメールの名画に登場してもらうと
おそらく、この絵を10メートル先から見ると
黒い背景に人物(おそらく女性)が描かれている絵画
という大きな構図が見えてきます。
1メートルの所で女性像が鮮明に見えてきますね
どのような服装をしているのか
肌の質感。
次の瞬間には目や唇を見ていませんか?
実際に画面上に顔を10センチの所に近づけることはできなくても
視界の幅はかなり狭まっているのではないでしょうか。
少なくともこの時点で、背景の黒を見ている人はいないと思います。
最初に作品に出会ってから、
数秒間でどのような目線の移動をしているか
本能的にそんなに違いは出てこないのではないでしょうか。
続く