これからの弟子制度を考える
弟子に入って技術を学ぶのいいことだと思うけど、
冷静に考えて、一般企業に置き換えてブラックな労働体系だと、長続きしないから、やめたほうがいいですよ。
そもそも江戸時代とか明治くらいまでの弟子制度って生活を保障されながら技術を学んでいたんです。— 浅井康宏 (@YasuhiroAsai69) 2018年4月2日
少なくとも、住み込みの場合、衣食住が保障された上で技術習得ができて、将来的に仕事が保障されている市場がある上で、弟子という制度で学んでいました。
現代はそれに当てはまらないので、弟子で学ぶことに関しては、一歩引いて冷静に考えてみる必要があります。— 浅井康宏 (@YasuhiroAsai69) 2018年4月2日
少し前までは、過酷な労働状況であっても弟子制度は伝統工芸において必要と考えていたけど、今は最低限の生活を保障できないようでは長期的に業界が続かないから根本的な対策が必要だと思っています。
— 浅井康宏 (@YasuhiroAsai69) 2018年4月2日
結果的に良い労働環境で作られた作品の方がクオリティも高く、価値を創造できるので、より労働環境を改善できるというサイクルが生まれます。今、そうではない業界は中期的に一度淘汰されるので、当たり前だけど、良いものしか残らない。
— 浅井康宏 (@YasuhiroAsai69) 2018年4月2日
技術の習得には時間がかかるわけですが、
人生において最も大切な時間という資源を若いうちにどのように、どのような形で振り分けるか、というのはとても重要です。
例えば「技術だけあればなんとかなる」と考えた場合、
伝統工芸の技術より、プログラミングの技術を習得した方が、収入を考えた時に有利なわけです。
ただ、お金ではなく、分野に対する愛情が深い場合は割り切る必要はないと思っていて、それが差別化に繋がり、
最終的に強みになります。そして、これからそのような人間らしい強みが仕事において必要になってきます。
でも、弟子体制が一般的にみてブラックな状態っていうのは、本当に長期的な活動が難しいので
師匠選び、環境選びは冷静になる必要があります。
ブラックな現場というのは総じて、人間関係もブラックなので、
さっさと見切りをつける必要があります。
僕が夢見る弟子制度っていうのは、弟子には最低限の社会保障をすべきだと思います。
逆に社会保障をつけることができないというのは、組織として際どい状況であるということなので、
やはり長期的な成長は難しいのです。
伝統工芸は夢のある世界なので、夢を見るだけの地盤を僕は作りたいんですよね。
そのために、一流の環境を作りたいと思います。
そこに一流の人と物が集まるのは当然なので。