「月刊美術」 今月は工芸特集
月刊美術6月号に紹介していただきました。
今月の特集は、、
「「用の美」× 超・工芸」
現代の使える工芸ってどんなアプローチなのか?
というテーマで、若手作家の作品が紹介されています。
僕の作品は二点が紹介されています。
その1点が万征さんとのコラボ作品
蒔絵酒器「徳倶利伽羅龍」
脚部分の龍が万征作
上部の器が浅井作
この作品は、二人で打ち合わせで作り上げました
「何作りましょっか?」
「実際の使用より、美意識を優先した攻めの作品を作りましょう」
「攻めましょう!」
みたいなノリから
万征「人が酒器を持ってるみたいなのどうでしょう」
浅井「ほうほう、以前作ってた力士の作品みたいな」
万征「そうそう」
浅井「面白そうですね」
少し沈黙
万征「龍ってのもいいかもしれませんね」
浅井「あ、前作の倶利伽羅銃の作品みたいな?」
ジ・アートフェア+プリュス-ウルトラ ターム2にて出品した倶利伽羅゛銃゛は国友勘作右衛門を見本に制作。
手のひらサイズですが火蓋やカラクリも可動します。カチッ pic.twitter.com/U3QxiXuUZg— 上原 万征(まんせい) (@mansei_uehara) 2016年12月27日
万征「倶利伽羅龍・・・あ、トックリカラ龍って面白くないですか?」
浅井「とっくりからりゅう??」
万征「倶利伽羅龍と徳利をかけて」
浅井「徳利から龍が出てくるってこと?」
万征「そうそう、ニョキっと龍が出てきて酒器を支えてる感じ」
浅井「なるほど、酒器のイメージとぴったり」
というわけでテーマが決まって行きました。
さて、万征さんと僕は東京と京都で活動しているので、
お互い作品を持ち合って、途中確認することができません。
僕の作品の接合部分を形どって送り、そこに合わせて脚を作ってもらう。
僕は僕で器部分を進めてゆく。
そんなある日、、、
届いた小包を開けてみると、
入っているんですよ、龍が。。。
「スゴすぎる」「完全に器が食われた。。。」
という絶望。
合わないんです。酒器と脚が。。
しばらく冷静になってお互いの長所を生かす対策を考えた後、
器の側面に雲形の模様を蒔絵することにしました。
そして完成した
万征×浅井
蒔絵酒器「徳利伽羅龍」!!
徳利から龍が生まれて、
雲を突き抜けて、宇宙に届き、漆黒の中のきらめきにお酒が満ちてゆく。
緊張感のあるコラボ作品でした。
いや、寿命が縮まる思いでした。
作品の発表は月刊美術6月号で
作品は誌上販売されています。
合わせて、もう一作品
蒔絵酒器「夜の海」も発表しています。
この作品は8点作ったうちの最後の一個です。
誌上でご覧いただけましたら幸いです。