urushiについて説明するよ
漆のことを知っていますか?
よく陶芸と間違われることがありますが、
同じ工芸分野ですが、陶芸と漆芸は異なります。
漆芸に用いられる漆とは、素材の名前です。
海外ではラッカーと訳されることが多いですが、
最近は無理に訳さずUrushiで伝えてゆこうという流れになって来ています。
◯漆とはどんな素材なのか
東南アジアに分布する漆科の樹木の樹液を漆と言い
その素材から作られたものを漆器と言います。
◯どこの国で盛んなの
東南アジアの中でも、中国・韓国・日本が漆文化が盛んです。
その他ミャンマーやベトナムにも漆の文化があります。
◯どうやって採取するの
漆は木の樹液なので木の幹に傷をつけて滲み出たものを採取します。
各国それぞれ違った採取方がありますが、傷から採取するのは変わりません。
幹の傷から一滴ずつ集めてゆきます
◯一本の木からどれくらい採取できるの
日本の場合、約15年間育てた漆の木から200gの漆を採取します。
「殺し掻き」という方法でワンシーズンで樹液を採り切り、伐採する方法が主流です。
◯どんな表現があるの
漆を用いた表現は実に多様です。
僕の携わる蒔絵
塗りの美しさを見せる髹漆(きゅうしつ)
漆面を彫り込む蒟醤(きんま)彫漆(ちょうしつ)沈金(ちんきん)
貝を象眼する螺鈿(らでん)など
日本で現在伝わっている技法だけでもこれだけあります。
◯一つの作品にどれくらい時間がかかるの
僕の制作だと、1作品に塗りに半年、加飾におよそ半年ほどかけて制作しています。
産地や他の作家さんによってかかる時間は違うけど、
漆の作品を作るのは工程数が多く、乾燥時間(半日)が必要なので
時間がかかります。
◯japan=漆器は海外で通じるの
これはよくいただく質問です。
chaina=磁器
japan=漆器
という輸出商品に対する名称が海外で広がっており
現在でもそれが通じるのか。
という質問について、答えは
「通じません」
文献を遡っても、海外美術館の展示でもjapan=漆器という訳を見つける事は難しく、
japanを漆器として認識してもらう事は難しいです。
これからはUrushiという素材名、Maki-eという技法名を広めてゆきたいと思います。
その他、漆に関して質問がございましたらコメント欄でご質問ください。