「URUSHI 伝統と革新」展が、本当にすごかった。
「URUSHI 伝統と革新」横浜SOGO会場に行ってきました。
この展覧会は、
○石川県立美術館
○横浜SOGO
○静岡MOA美術館
上記3箇所に巡回する展覧会です。
日本伝統漆芸展35回記念に合わせて開催される特別展で
明治の名品から現代までの漆芸作品が一堂に会します。
見所はまず、明治の名品
白山松哉、赤塚自得
僕の大好きな蒔絵師の代表的な仕事が見られます。
数は少ないけど、展示が近くて詳細まで見ることができて勉強になりますした。
続いて
伝統工芸展初期の名品
松田権六や高野松山といった初期の人間国宝の代表作が出品されています。
石川県立美術館会場では松田権六作品が充実していたようですが、
横浜ではバランスよく人間国宝の作品が間近で見られます。
今回僕が驚いたのが、田口善国作の蒔絵の棚です。
この作品は今回の展覧会のチラシに使われている作品で、
僕も図録で何度も見たことがあったので、てっきり実物を見たと思っていた作品でした。
しかし、実物を見るのは初めてで、正直驚きました。
その大きさたるや、2メートル近くあるような大きな棚だったのです。
感覚的に想像の2倍くらいのサイズ感
「伝統工芸というより、これは立体作品だ」田口先生の作品に対する情熱がひしひしと伝わってきました。
最後に
現代の作家作品。
僕の作品も出品させていただいています。
正直にいうと、現代の作品は過去の名品に比べて、サイズは小さくなっているし
手の入り方も違う時間軸で作られています。
4ヶ月に1つの作品を作るという、無理な制作ペースは手数において、問題を感じる部分がありました。
ただ、その中で脈々とつながっているものも、しっかりお伝えできると思います。
技術の伝達もそうなんだけど、一番大切な漆に対する愛情や情熱は、現代作品からもしっかりお伝えすることができると思います。
現代の良い部分と、過去の工房体制の良い部分を掛け合わせて
今後の制作は加速してゆきます。
新しい時代に、圧倒的な作品を作るという目標を改めて思い描くことのできる、
思い出に残る展覧会でした。
「そういえば、高校時代に眺めて憧れ尽くしていた漆の世界はこんな感じだったな」と初心に帰れた時間でもありました。