三年坂美術館の「調度を彩る 蒔絵の美」が最高だった
清水、三年坂の真ん中あたり、
今ではすっかり外国人観光客が多くなった風情のある場所に三年坂美術館はあります。
幕末、明治の工芸が集まったその美術館に最初に訪れたのは、
高校3年生の時でした。
当時京都の美術予備校に通っていたので、
チラシを頼りに自転車で見に行った記憶があります。
それからずっと好きな美術館。
現在の企画展は
「調度を彩る 蒔絵の美」
久しぶりに、感動する展覧会でした。
陳列作品は、文箱、文机、棚、香合とバリエーションに富んでいます。
王道の蒔絵から、螺鈿を基調とした「柴山細工」
青貝を用いた「杣田」の名品も陳列されていました。
僕が、高校生のとき感じた感動が蘇るような展覧会だったのですが、
当時とは違った目線で見えるポイントもたくさんありました。
具体的には、
金粉の仕立てが、作品ごとにバリエーションがあって
現代の教育現場では教えられていない仕立てが多い。
それで、どうやっているのかわからないんだけど、
仮説を立てて再現してみたいことがたくさんあるんです。
気になりすぎて、たくさんの宿題のメモを取って帰りました。
実は「調度を彩る 蒔絵の美」2度目の訪問です。
何日か前行ったけど、一度では確認したい技術がまとまらなくて、
おそらくあと二回くらいは行く気がします。
それくらい僕にとって良い展覧会でした。
勉強のためではなくても
蒔絵好きにはたまらない展覧会だと思います。
受付でミュージアムスコープ(有料 200円)を借りることができるので
ぜひ細部の技まで見てもらいたい展覧会でした。